『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(17年)はスクール・カーストを題材にした映画だ。ゲームの中に入った高校生が、冒険の中で本当の自分と向き合い、他人を尊重することを学んでゆく。既に各所で言われている通り、本作は青春映画の古典『ブレックファスト・クラブ』(85年)を下敷きにしている。『ブレック~』は異なるタイプの少年少女らが補習授業を通じて互いを理解し合う話で、『ジュマンジ』はそのアクション・アドベンチャー版だと言えるだろう。 しかし、私は本作を観て別の映画を思い出した。ダーレン・アロノフスキー監督、ミッキー・ローク主演の『レスラー』(08年)だ。『レスラー』は落ちぶれたプロレスラーが、病を抱えたまま最期のリングへ立つまでを描いた作品だ。劇中、彼は自身が絶頂期だった80年代のハード・ロック/ヘヴィ・メタルのバンド名を挙げて懐かしむ。「モトリー・クルーにガンズ・アンド・ローゼズ。それ