本連載「脳に挑む人工知能」第1回、第2回、第3回では、脳神経細胞を模したニューラルネットワークによる画像認識を中心に、人工知能技術の最前線を解説した。第4回以降では、動物の中でも人間にしかできない「複雑なコトバを操る」ことを可能にする人工知能について、脳科学やビジネスとの接点を交えて紹介する。 人類がコトバを操るようになったのは、ヒトの歴史の中でもごくごく最近のことだ。言語の起源については諸説あるが、複雑に文節化した言葉を発することができるようになったのは少なくとも10万年前、ホモ・サピエンス(新人)がアフリカから世界へ移動を始めた頃とされる。 ヒトの祖先がチンパンジーの祖先と分かれたのがだいたい500~600万年前のこと。チンパンジーであれば、第1回~第3回で取り上げた物体の認識、つまり「モノを見る能力」は当然のように備わっていたろう。だが「コトバを操る能力」については、猿人、原人をへて
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