長野県松本市の国宝・松本城で進められていた内堀の浚渫(しゅんせつ)工事が完了した。 泥などの堆積物が取り除かれた区域からは悪臭がなくなり、透明度も増した。市は「成果があった」として、2015年度までに策定する城の保存管理計画にこの工法の成果を盛り込む予定で、全国の城にも広まりそうだ。 松本城では、「内堀」と「外堀」、その外側に部分的に残る「総堀」に、落ち葉や魚のふんを含んだ泥が堆積し、場所によっては3メートルもたまっていた。梅雨明けからお盆にかけて降水量が少なかった昨年は泥が水面から露出。水面も濁り、悪臭を放り、観光客から苦情が寄せられていた。 コイやモロコなど水生生物への影響が最も少ない方法として採用されたのが、泥をポンプでくみ出し、セメント材として再利用する工法。7月中旬から今月上旬にかけて行われた。 約8000平方メートルの内堀のうち約1200平方メートルの部分で実施。その結果、水の