実は、震災がれき問題に関わっている間、「震災がれきを燃やすことは危険ですか?」という質問に対して、「危険です」と答えたことは一度もない。この直截な質問に対しては、原則として「わからない」と答えてきた。それでは、僕は何を問題にしてきたのか。安全性と必要性を問題にしてきたとは言えるが、正確に言えば、「政府の言う『安全です』『必要です』との主張の根拠には合理的な疑いの余地がある」ということだ。そして、政府が示している論理と証拠に対して、一つずつ丁寧に疑問を投げかけていった。環境省はおよそ何一つ答えなかったし、答える意志もなかった。 言うまでもないが、「危険です」と答えることと「(安全か危険か、危険だとしてどの程度危険か)わからない」と答えることの間には大きな違いがある。もちろん、「安全です」と答えることの間にも大きな違いがある。僕の立場は、実際に何が起こるかはわからないし、この点で確信的に言える