はじめに隠さずに言うべきことがある。 今日俺は遅刻をした。 13時に集合を14時と思い込み遅刻をしたせいだ。 バイト先に15分ほど遅れて行き気まずい空気が流れた。ハァハァと息を切らし店内に顔面が汗と雨の水滴にまみれた中年男性が勢いよく転がりこんできたのだ。 季節外れのカッパの参戦にみんなが顔を見合わせていたのがチラッと見えた。 やがて年配の女性の方Aさんに案内されロッカールームでトレードマークの赤い色の服を着る。 世間と隔離され己の立場と言うシビアな現実の始まりを合図する瞬間である。 この時は後半戦に始まる筆舌に耐えがたい地獄のような出来事が待ち受けているとはこの時、私は知るよしもなかった。 まず何をしたか?ふん、いい質問だ。 20分ひたすら何もしなかった。いや、実際は何もやらせてもらえずひたすら店内で赤い服を着てカカシのように立ちすくんでいた。実は担当者トレーナーさんがいなくて、クルーの