名古屋市中村区の公園に、ひときわ目立つ建物がある。 まるで古代ギリシャの神殿を思わせる荘厳なデザイン。 なぜ、公園に“神殿”が? その歴史を追ってみると、市民の暮らしのために奔走した1人の技術者の生涯にたどりついた。 (名古屋放送局 記者 豊嶋真太郎) 公園に現れた“神殿” きっかけは、視聴者から寄せられた投稿だった。 「名古屋市中村区に昔あった図書館は、とても変わった建物でした。調べてください」 いったいどのような建物だったのか。 今もその建物が残っているということで、6月下旬、実際に訪ねてみた。 地下鉄東山線「中村公園」駅を降りて、西に歩くこと15分。 緑あふれる公園の中に突然…。 巨大な建物が現れた。 中央に鎮座する太い筒状の構造と、それを囲むように並ぶ16本の円柱。 白一色の外観も相まって、かなり荘厳なオーラを放っている。 建物の管理者に尋ねてみると、1991年(平成3年)までは「