ご縁があり,このコーナーを書かせていただくことになったとき,私は大学院を修了して社会人になったばかりでした。いわゆる“新卒”です。幼い頃に司書を目指し,図書館情報学を学ぶために上京し,念願かなって専門図書館に勤めることができました。そうして一息ついて,ふと立ち止まると,これから自分はどうすればよいのか途方に暮れるような気持ちになってしまったのです。 学業は進級し進学すればいつかは終えることができますが,就職は違います。数年どころか,勤め続けるのなら入社から退職まで40年も同じ場所で過ごすことになりますし,そこで何を目指すのかも人それぞれです。 思えば一番強く何かをしたいと思ったのは,司書になりたいと思ったときでした。それがかなって,ではこれから40年何をするのか。物心ついてから20年もたっていないのですから,40年で何ができるかなんて想像もつきません。就職してようやく,そんな当たり前のこと