太陽はイタリア語では男性名詞、ドイツ語では女性名詞。色も、イタリアでは赤、ドイツでは黄色とされている。南北の気候のちがいの反映か?写真は石川県柴垣海岸の朝日。筆者撮影 日本語には色を示す言葉が多い。ピンク一つとってみても、桜色、鴇色、鮭色などいろいろある。「鴇」は「とき」という鳥の名前であり、ラテン語の学名がNipponia nipponとつけられたほど、かつては日本にありふれた鳥であった。「ミドリ」「キン」など、脚輪の色で名づけられた最後の5羽も死に、今や中国産のときの繁殖が日本で図られている。 昔は自然の染料を使ったので、古い色には、「紅梅(こうばい)色」などという、人工染料ではなかなか出せない色もあり、平安貴族に愛用されていた。さらにパステル・ピンクだのシュリンプ・ピンクなどという外来語まで加わる。色というものには敏感になれば切りがないほどのバラエティがある。しかし、意外なことに、