経年劣化した建材や設備などを、新築時の状態まで戻すのが「リフォーム」。これに対して、新たな設備を設けたり、内装を一新したりすることで、新築時よりも機能やデザイン性を向上させるのが「リノベーション」。最近、全国紙の記事でも普通に使われ始めた「リノベーション」を定義すると、だいたいこんなところだろうか。 ほとんど一般用語と化したリノベーション。これを得意とするある企業の役員から、「リノベーションに新規参入した建築設計者や施工者が、想定外のクレームを受ける例が増えている」という話を耳にした。特に区分所有のマンションの住戸をリノベーションする際に、トラブルに巻き込まれる例が多いという。 例えば、新築工事しか経験したことがない内装会社が、工事の騒音にクレームをつけた近隣住民に真正面から反論して収拾がつかなくなることもある。「3日程度で工事が終わるかと思っていたら、2週間以上も続き、戸境壁を解体したり