国立西洋美術館の世界遺産登録決定に沸く東京・上野の街。1883年にターミナルの上野駅が開業してから発展を続け、現在は観光地としての性格も強めつつある。近代的な建築物も増えて変わりつつある街並みを、見渡してみよう。 JR上野駅の正面玄関口。北へ向かう列車のターミナル駅として、バブル経済期まで不動の地位を築いてきた。その後、新幹線や上野東京ラインが東京駅へ延伸され、現在は中間駅と化しているものの、多くの人でにぎわう。2代目となる現駅舎は1932年に竣工、設計は当時の鉄道省の技師・酒見佐市(写真:日経BPインフラ総合研究所) 上野の特徴は、山手と下町の両方が共存している点だ。山手エリアは台地の上にある上野恩賜公園(上野公園)が中心で、国立西洋美術館をはじめ東京文化会館や恩賜上野動物園(上野動物園)など数多くの文化施設が集中。台東区が「上野の山文化ゾーン」と呼ぶアートの集積地だ。北側には、江戸時代