原 克氏 早稲田大学 教育学部 教授 1954年生まれ。専門は表象文化論、ドイツ文学。著書に『図説 20世紀テクノロジーと大衆文化』(柏書房)、『流線形シンドローム』(紀 伊國屋書店)など多数。 本書の前半はおもに20世紀初頭の米国を舞台にした電気冷蔵庫の出現と発展に関するストーリーである。電気という革新的なエネルギーが徐々に社会に浸透していく様子を、冷蔵庫の進化を題材に描く。 著者の原克氏(早稲田大学教育学部教授)は、「科学史や技術史と呼ばれる本はたくさんありますが、多くは科学の世界に閉じた研究です。私の関心は一貫して、科学と一般大衆との関わり合いにあります。人々が新しい科学や新しい製品にどのように反応し、受容して行ったのかを明らかにしてみたかったのです」と語る。 原氏は欧米の古書市場で膨大な一般大衆向け科学雑誌を収集し、詳細に読み込んでいく。広告のコピーや写真も重要な研究資料だ。「広告