日本でも宇宙建築の研究を進める企業は少なくない。東急建設もそのひとつだ。同社技術研究所では、月面基地をつくる際に現地にある砂などを活用して建築資材を生産する「地産地消型宇宙建築」の研究を進めている。
□五重塔の技術で揺れを吸収 東京都墨田区押上で、「東京スカイツリー」の建設が着々と進んでいる。634メートルの高さは、自立式鉄塔としては世界一。五重の塔の伝統的工法と最新技術を融合させ、関東大震災級の大地震にも耐えられるという。東京の新しいランドマークを支える技術を紹介しよう。(伊藤壽一郎) ◇ 弱い地盤 東京スカイツリーは、都心の超高層ビル増加で発生した電波障害を軽減することが目的の電波塔だ。2008年7月に着工し、現在は約280メートルに“成長”。足元は1辺68メートルの正三角形で、上に行くにつれ円形に変わっていく。 事業主体の「東武タワースカイツリー」によると、「建設地の地盤はもともと脆弱(ぜいじゃく)でゆるい」。このため、「連続地中壁杭(くい)」という特殊な構造で足元を支えている。 通常の建造物に用いる円柱状の杭ではなく、壁状の杭を木の根のよう
「地球は青かった」という言葉で知られるユーリー・ガガーリンによって世界初の宇宙飛行が実現し、半世紀近くの歳月が流れた。この夏は、宇宙開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士が4カ月半にもおよぶ宇宙滞在を果たし無事帰還したニュースも記憶に新しい。 今や、世界では宇宙は、新しいビジネス市場として注目され、商業的な宇宙旅行の販売も始まっている。 SFの世界の“乗り物”が現実に 2009年7月現在、地上100キロメートル以上の宇宙空間を体験した人は、地球を回る軌道に入らない弾道飛行(準軌道飛行)を含めれば、500人を超えているという。 これらの500人強の人が利用した乗り物は、もちろん、ロケットである。 エレベーターで宇宙へ行こう。 そう言われて、あっけにとられないのは、世界でもごく少数の人間に限られるだろう。 SF作家アーサー・C・クラークの著作『楽園の泉』にも、宇宙エレベーターは登場する。クラ
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