アルジェリアで起きた人質事件で、政府は当初、事件に巻き込まれた大手プラントメーカー「日揮」の意向に配慮し、被害者の氏名を明らかにしなかった。犠牲者の氏名を公表したのは、遺体が羽田空港に到着した1月25日。事件発生から9日後だった。大きな事件や事故の当事者や遺族らは、実名の公表をどう考えているのか。今回の事件の各国政府の対応などとともにまとめた。 ◇周りから応援得られた−−「薬害エイズ」被害者・川田さん みんなの党参院議員(東京選挙区)の川田龍平さん(37)は、危険な血液製剤で「薬害エイズ」に感染した被害者として、民事訴訟係争中に実名を公表した。 「それは19歳の予備校生の時。訴訟が山場にさしかかっていた。多くの人に薬害エイズのことを知ってもらいたかった。問題に関心を持ってもらいたかったし、裁判に勝ちたかった」 川田さんの実名公表は、薬害エイズの深刻さを社会に訴える大きな力になった。