松山商高以来、公立校では11年ぶりの甲子園制覇を成し遂げた佐賀北高。エースの久保らのタフさと集中力が光った【 写真は共同 】 浮つくことなく最後を締めた佐賀北 最後まで冷静さを失っていなかった。満塁本塁打が出ても、優勝まであとアウト3つに迫っても。 佐賀北高の9回表無死一塁での守り。広陵高・岡田淳希の送りバントは一塁前に転がった。一塁手の辻尭人はダッシュしてこの打球をつかむと、一塁に送球せず、打者走者にタッチしに行った。 「(走者が三塁に)行くとは思いませんでした。でも、(送球すれば)一塁ベースまで(ボールが)行く間に(三塁に)行かれるかも知れない。タッチの方がいいと思いました」 バントと同時に好スタートを切っていた一塁走者の林竜希は、三塁ベースが空いているのを見て、ノンストップで三塁へ。一瞬気づくのが遅れた辻だったが、慌てて三塁ベースに戻った副島浩史に冷静に送球。間一髪で林を刺し