ツインバード工業は7月30日、同社が10年以上開発を進めてきたスターリングクーラー事業が初めて単年度黒字化する見通しを明らかにした。同社の野水重明社長は、将来的にコストダウンを図り、コンシューマー市場にも展開する考えを示している。 スターリングクーラーは、冷媒(ヘリウムガス)を膨張させると冷えるという気体の性質を利用した冷却システムで、基本原理は1816年にスコットランドのスターリング博士が発明した。現在の「FPSC」(フリーピストン・スターリング方式冷凍機)は2002年に同社が開発に成功したもので、これをベースに作られた宇宙実験用冷凍冷蔵庫「FROST」は2013年8月から国際宇宙ステーションの日本実験棟で活躍中だ。 「FROST」の実物。無重力の「きぼう」船内で使われ、約12リットルの容積を室温-70°Cまで0.1°C単位で庫内温度が外部から設定できるJEM搭載用ポータブル冷凍冷蔵庫だ