でかくて、分厚くて、おまけに税抜き4600円と大変高い本ではありますが、今や世界第2位の資本主義大国である中国の労働問題を、ルポとかではなく理論的に分析した本というのはほとんどない現在、それだけの代金を払ってでも読む値打ちのある本でした。 中国をめぐっては、あまりにも多くの解決すべき謎があり、中国を観察する人たちにとって、今後も驚くべきことが少なくなるのではなく、さらに多くなると覚悟しておく必要がある。本書の目的は、もっと限定されている。論争を活発化することのほかに、階級、国家、国家官僚の役割にもう一度焦点を当て、それらの相互関係が近年および将来を規定することを示すことによって、中国のジグソーパズルの欠けたピースを埋めようとすることである。 私の主な関心は第2部の「中国における労働者・農民の抵抗闘争」でしたが、中国の体制イデオロギー諸派を分析した第3部も、少数民族問題を取り扱った第4部も、