ベルリン映画祭で上映され、絶賛されたヴィム・ヴェンダース監督の最新作『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』が2012年2月に公開される。同作は、ヴェンダースの20年来の友人であるドイツの天才舞踊家・振付家のピナ・バウシュのダンスドキュメンタリー。アート系作品としては世界で初めて3Dで撮影された映画としても話題になっている。 残念ながらピナは2009年に癌で逝去しており、生前の映像と、ヴッパタール舞踊団のメンバーによるパフォーマンスやインタビューで構成されている。作品が、第24回東京国際映画祭の特別招待作品として上映されたため、来日していたヴェンダース監督にインタビューした。 ― 85年にピナ・バウシュの作品を初めて見て、彼女と親交を深めたそうですね。彼女の第一印象はどんな感じでした? ヴェンダース:ピナは謎の人物だったから怖かったよ(笑)。彼女はあまり喋らずに煙草を吸い続けていた。
[読書] 川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』 講談社 ’11.10.12刊 1976年生まれの話題の新進作家の近作を読んだ。私はこの一冊しか知らないのだが、若い女性のとても切ない純愛が、限りなく美しく描かれているのに驚いた。ほとんどありそうもないと思われるくらいピュアな恋の物語。恋愛経験もないとても地味な35歳の女性が主人公の「わたし」。偶然知り合った高校の物理学教師の58歳の初老男性「三束(みつつか)さん」に片思いになる。彼から「光」の物理学について教えを受ける。酒を飲まないと男の人と話すことができないくらい内気な「わたし」は、悶々と苦しんだあげく、彼の誕生日にお祝いの会食を企画する。食後、夜道に立つ二人のどちらからともなく、手が触れ、「わたしたちは指と指の背をふれあわせたまま、動かなかった」(p276)。彼が指先を握り返してくれる。思わず、「三束さん、わたしは三束さんを、愛しています
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