2011年9月4日、「新・方法」は「新・方法主義第二宣言」を発表しました。また、この日をもちまして「新・方法」は結成一周年を迎えました。 寄稿と作品からなるEメール機関誌、第12号をお届けします。今回は二ヶ月ぶりの刊行です。寄稿者は、オノ・ヨーコとマルセル・デュシャンを研究された美学修士で美術批評家のはがみちこさんです。 [寄稿] チェス・マニアのデュシャン はが みちこ(美術批評家) デュシャンは、そもそもなぜチェスをしたのか? 現代美術の「父」は、芸術なぞより高尚なチェスを好むふりをしたというお決まりの神話は措いておいて、デュシャンが残した手紙に少しでも目を通せば、純粋にチェスにのめり込む無邪気な青年の姿に出会って面食らうだろう。 「僕の野望はプロ[professionnel]のチェス・プレイヤー(あるいは、反お尻派リオネル[anti−fesses Lionnel])になることです」(