印刷 中国がこだわってきた高速鉄道「世界最速」の座を明け渡すことになった。16日から全線で、最高速度350キロを300キロに引き下げるため、320キロで走る独仏が世界一となる。浙江省温州市の高速鉄道追突・死亡事故を受け、中国政府が安全強化に取り組む姿勢を内外に示す狙いがある。 鉄道省は、6月末に開業した北京―上海線の最高時速を、予定していた350キロから300キロに引き下げた。これに合わせて、広州―武漢なども同様の措置をとったが、安全対策ではなく、環境や費用削減のため、と説明してきた。 この時も、北京―天津、上海―杭州線は350キロを維持して「世界最速」を死守。だが、10日に開いた国務院(内閣に相当)常務会議で開業時の減速など安全対策の強化が打ち出されたのを受けて、既存の路線も減速することになった。380キロ仕様で作られた「CRH380BL」に故障が続出、回収に追い込まれたことも背景