国際的には「低い」日本のインフレ G7諸国のインフレは数十年に一度の高水準に達している。アメリカやイギリスでのインフレ率は米国や英国では8%や9%という驚くべき水準に達しているのに対し、日本ではわずか2.5%に過ぎない。それでも日本では高いインフレ率と捉えられ、他とは異なっている。 さらに、米国連邦準備制度理事会(FRB)とイングランド銀行が利上げを急いでいるのに対し、日本銀行は政策を保留し、日本10年国債の利回りをゼロに維持するために必要なだけの国債を購入すると述べている。 この相違は、30年間物価が伸び悩んできた日本においては、インフレに対する心理が根本的に違うことを示している。日本は特に輸入品のコストが上がり、他国と同様のショックを受けているにもかかわらず、その分が物価や賃金にはほとんど転嫁されないのだ。