長年、旧ソ連が秘密裏に作成していた世界地図は、その精緻さと膨大さにおいて西側諸国の地図を凌ぐものだった――。「レッド・アトラス」と呼ばれ、現在のロシアでもいまだに機密扱いとなっているというそれらの地図だが、ソ連崩壊後の混乱の中で、一部はいくつかのルートを通って西側に流出した。 その「レッド・アトラス」研究の第一人者が、英国地図製作協会会長を務めるアレクサンダー・J・ケント氏(英国カンタベリー・クライスト・チャーチ大学準教授)である。今年3月、同じく英国の地図研究者であるジョン・デイビス氏との共著『レッド・アトラス――恐るべきソ連の世界地図――』(日経ナショナルジオグラフィック社)を上梓したケント氏が、7月中旬、国際地図学会議東京大会に参加するために初来日した。
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