男子はズボン、女子はスカートという制服の“常識”が変わりつつある。「性別に関係なく制服を選びたい」という生徒の声に応え、女子生徒の制服にスラックスを採用する学校が出てきているのだ。そんななか、創立からまもなく100年を迎える伝統ある女子校、桜蔭中学校高等学校(東京都文京区)が昨年、スラックスの採用を決めた。全国有数の進学校として知られ、由緒ある制服を誇りにしてきた同校でスラックス採用に踏み切った背景について、同校の校長、教頭に話を聞いた。 【写真】桜蔭中高の制服はこちら * * * 近年、女子生徒がスカートかスラックスを選べる制度を導入する学校の動きが加速している。その理由は、防寒対策や痴漢被害の防止、自転車通学者への配慮などさまざまだが、最大の目的は、「制服のデザインが身体的な性別に基づいたものなので着るのが苦痛」という、学校生活のなかで息苦しさを感じているトランスジェンダーの生