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ブックマーク / xtech.nikkei.com (185)

  • 日本における「名寄せ」と「照合」の黒歴史

    健康保険証、銀行口座、年金記録――個人のマイナンバーに別人の情報がひも付けられるトラブルが後を絶たない。多くの事案に共通するのは、自治体や関係機関の職員が氏名や生年月日などを基にマイナンバーや住民データを照会した際に、誤って同姓同名の人の情報を引き出してひも付けてしまうというケースだ。 こうした情報のひも付けをする際、職員が住民データの照合や突合、人確認に使うのが「氏名」「生年月日」「性別」「住所」、いわゆる基4情報といわれるものだ。 だがこの4情報は、コンピューターによる自動処理とは絶望的に相性が悪い。例えば氏名は「邊」「邉」など旧字・異体字の揺らぎや外字の処理が煩雑なうえ、婚姻による改名もある。よくある氏名の場合、氏名も生年月日も同一というケースが頻発する。住所は時期によって変わるうえ、人によって書き方が「一丁目四番」から「1―4」まで一意ではない。 こうした曖昧な識別符号を代替す

    日本における「名寄せ」と「照合」の黒歴史
  • ChatGPTで広告会社の組織激変、サイバーでは30人以上いたディレクターがゼロに

    ChatGPTがデジタル広告の業界構造をつくり替えつつある。大手各社は、ChatGPTを生かして開発したAI人工知能)システムをバナー広告の制作工程に導入。広告制作の生産性向上に成果を上げている。広告制作に携わる人員構成の見直しや、顧客企業から受け取る報酬の体系にメスを入れる動きも始まった。 デジタル広告の中でもChatGPTの影響をもろに受けているのがキャッチコピーの文言をつくる作業だ。商材の種類や想定する閲覧者の属性といった情報を入力すると、瞬く間にキャッチコピーの文言が自動生成される。 ChatGPTをはじめとする生成AIをデジタル広告制作に積極的に活用している1社が、デジタル広告最大手のサイバーエージェントだ。同社は自社開発のデジタル広告制作支援システム「極予測AI」を使い、新たにつくったバナー広告の内容をAIが解析して広告効果の予測値を算出。既に配信しているバナー広告のうち広告

    ChatGPTで広告会社の組織激変、サイバーでは30人以上いたディレクターがゼロに
  • 横浜市と足立区が富士通Japanを「指名停止」処分に、住民票誤交付トラブル巡り

    マイナンバーカードを使ったコンビニ証明書交付サービスで、別人の住民票などが発行されるトラブルが立て続けに発生した問題を巡り、横浜市と東京都足立区がサービスの提供ベンダーである富士通Japanを指名停止処分にしたことが日経クロステックの取材で2023年5月12日までに分かった。 横浜市は指名停止理由を「契約約款等違反」とし、2023年5月10日~6月9日までの1カ月、足立区は理由を「契約履行上の事故」とし、2023年5月1日~7月31日までの3カ月指名停止処分とする。富士通Japanは指名停止期間、入札に参加できなくなる。 コンビニにおける証明書誤交付を巡っては、他に川崎市と徳島市でもトラブルが発覚している。川崎市は2023年5月12日午前9時時点で富士通Japanを指名停止処分にしておらず、「契約違反には該当しないと考えられ、現時点で指名停止は考えていない」(市民文化局戸籍住民サービス課の

    横浜市と足立区が富士通Japanを「指名停止」処分に、住民票誤交付トラブル巡り
  • 「最後の特需」去り厳冬期のパソコン市場、収益性低下の影響は顧客にも

    2022年通年の国内におけるパソコン出荷台数は1257万台。前年比で11.3%減と2桁の急落に――。市場調査会社のIDC Japanが2023年3月に公表したプレスリリースがパソコン市場の冷え込みを物語っていた。 背景にあるのは2019年から2020年にかけての「特需」の反動だ。2019年10月の消費増税や2020年1月のWindows 7のサポート終了が買い替えの契機となり、2019年にパソコン需要が盛り上がった。その後も2020年に小中学校の児童・生徒1人につき1台のパソコン端末を整備するGIGAスクール構想が立ち上がり、さらに新型コロナウイルスの感染拡大を契機に広がったリモートワークの環境整備などを目的にパソコンの需要が一気に高まるなど、まさしく特需が巻き起こった。 特需の影響で、法人向けと一般消費者向けのパソコン出荷台数はいずれも増加し「稼働台数のベースラインは引き上がった」(ID

    「最後の特需」去り厳冬期のパソコン市場、収益性低下の影響は顧客にも
  • 顧客がいない深刻な現実、トラック業界を悩ませるEVシフト幻想

    導入台数は世界でわずか450台程度、しかも5年間で──。これは、三菱ふそうトラック・バスが開発した小型電気自動車トラック(以下、EVトラック)「eCanter(eキャンター)」のリース販売実績だ。世界初となる量産タイプのEVトラックとして同社が2017年7月に生産を開始。それから2022年9月時点までの数字を同社は明らかにした。 1年間当たり約90台。お世辞にも売れているとは言えない。2022年9月以降の台数については「非公表」(同社)だが、それほど伸びていないというのは想像に難くない。

    顧客がいない深刻な現実、トラック業界を悩ませるEVシフト幻想
  • 埼玉県三芳町のアスクル倉庫火災、太陽光は翌日までに遮断

    大型の重機を使って外壁に穴を開けながら、倉庫内に放水している様子が、テレビのニュース映像などで連日報じられ、大規模な火災の怖さ、消火の難しさを改めて知らされる一件となった。 この倉庫は、地上3階建て、延床面積が約7万1892m2で、事務用品などさまざまな商品が大量に保管され、こうした商品の搬入、仕分け、発送などの作業が行われていた。内部は大きな空間で構成され、屋外への開口部が少ない。広い屋上には、太陽光パネルが並んでいた。 インターネット通販などの急成長により、近年、こうした大型倉庫は増えている。加えて、固定価格買取制度(FIT)の施行後は、屋根上に太陽光パネルを設置して新築されることが多い。FIT施行前に建設された倉庫に、太陽光発電システムを後付けする例も多い。

    埼玉県三芳町のアスクル倉庫火災、太陽光は翌日までに遮断
  • 日本IBMや順天堂大などが認知機能推定AIを開発、銀行でパイロット運用

    開発したのは「金融商品適合性チェック支援AIアプリ」。タブレットで撮影した表情とAIとの会話から認知機能を15段階で推定し、「脳の健康度」として提示する。金融機関は、脳の健康度スコアを参考にして、顧客に適切な金融商品を販売する。 AIの開発には、順天堂大学が実施した600症例以上の臨床試験の結果を利用。IBMのWatsonやデータ解析技術、グローリーの表情解析技術を応用して開発した。パイロット運用は三菱UFJ信託銀行の顧客数十人を対象に実施する予定だ。金融機関の社員と顧客のそれぞれで使いやすさを評価し、アプリの改善を進める。

    日本IBMや順天堂大などが認知機能推定AIを開発、銀行でパイロット運用
  • 「自治体はサービス業だ」、改革に突き進む渋谷区がUXを最重視する理由

    DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む自治体は、どのようなビジョンを持ち、人材育成などをどう進めているのか――。渋谷区の澤田伸副区長CIO(最高情報責任者)は2022年12月、日経済新聞社と日経BPが共催した「デジタル立国ジャパン2022Winter」のパネル討論に登壇し、DXとの向き合い方などを紹介した。 澤田副区長はまず自治体のCIOが担う役割について次のように述べた。「CIOは情報、システムを統括したりデジタル化を担ったりするだけでなく、イノベーションを前進させる役割を担っている。具体的には、自治体のマーケティングを参謀役として技術的な面からサポートし、それを核に構造改革をする。まさに、DXのX(トランスフォーメーション)を進めるためのポジションだ」(澤田副区長)。 市区町村など基礎自治体のDXを進めるうえで最も重要なポイントとしたのが、ユーザー体験(UX)だ。澤田副区

    「自治体はサービス業だ」、改革に突き進む渋谷区がUXを最重視する理由
  • ChatGPTを検索エンジンとしては使うな、責任ある大企業Microsoftの判断に疑問

    検索エンジンBingに「ChatGPT」をいち早く組み込んだ米Microsoft(マイクロソフト)の動きは、米Googleグーグル)への対抗策として非常にインパクトがあった。しかしマイクロソフトの今回の決断は、大きな禍根を残す可能性がある。チャットボットAI人工知能)を検索エンジンとして使うのは難しいからだ。 筆者はコラムで昨年来何度も、ChatGPTやその後継技術が「Google検索」を脅かす存在になり得る、と指摘してきた。チャットボットAIを検索エンジンとして売り込む企業や、チャットボットAIを検索エンジン代わりに使用し始めるユーザーが出てくると予測したからだ。だが、チャットボットAIを検索エンジンとして使うべきだ、と主張するつもりはない。 責任ある大企業であるマイクロソフトがこんなにも早く、ChatGPTを検索エンジンに組み込んできたのは予想外だった。しかもマイクロソフトはCh

    ChatGPTを検索エンジンとしては使うな、責任ある大企業Microsoftの判断に疑問
  • 「スタートアップ鎖国」は解けるか、宮坂副都知事の振興・誘致策が始動

    海外進出するスタートアップを増やすため、海外のヒト・モノ・カネを呼び込む動きが加速している。世界のスタートアップや投資家との交流を通じ、世界に挑む意気を養い事業を育てるのが狙いだ。先陣を切る東京都は、海外の先進都市に劣後する起業環境の改善に乗り出した。 「東京を世界で最もスタートアップフレンドリーな都市にする」。2022年11月、小池百合子都知事はこう宣言した。「Global Innovation with STARTUPS」と題したスタートアップ振興策の発表会見でのことだ。 スタートアップを都市や社会の課題解決や産業の変革を生み出す原動力と位置付け、東京発のユニコーン(企業評価額が10億ドル以上の未上場企業)数と起業数、都と民間との協業をそれぞれ5年で10倍に増やすとする。「ボーングローバル(グローバル前提の創業)の視点に立ち、東京都の関係者が一体となってスタートアップを支援する」。小池

    「スタートアップ鎖国」は解けるか、宮坂副都知事の振興・誘致策が始動
  • 立川市役所の庁内LAN障害、原因は「Edgeブラウザーへの移行」

    2022年6月27日、東京・立川市役所で大規模な通信障害が発生した。出先機関を含めた1000台以上のパソコンで終日、窓口作業ができなくなった。庁内LANの心臓部となるコアスイッチの障害が原因だった。コアスイッチに向けて大量の通信が発生し、メモリー不足に陥った。原因特定に時間がかかり、完全復旧に1週間を要した。 グループウエアの挙動がどうもおかしい――。東京都立川市役所の庁舎内がざわつき始めたのは2022年6月27日、始業時刻である午前8時半ごろのことだ。ほどなく市役所のITインフラストラクチャー運営を担う総合政策部情報推進課のもとに、「窓口業務用の情報システムにアクセスしづらい」「内線電話が通じなくなった」といった職員らの困惑した声が続々と寄せられるようになった。 情報推進課はただちに障害箇所の特定に乗り出した。庁内ネットワークのメンテナンスを委託している保守事業者と連絡を取り合い、担当

    立川市役所の庁内LAN障害、原因は「Edgeブラウザーへの移行」
  • 共通テスト新設「情報I」に一部大学「配点なし」、急がれる情報科教育の体制強化

    2025年実施の大学入学共通テストで新たに導入される新科目「情報I」。プログラミングやデータ活用などを学ぶ情報Iが2022年度から高等学校の必履修科目になったことを受けたものだが、その状況に水を差す騒動が勃発している。2022年9月、一部の国立大学が2025年実施の大学入学共通テストの教科として「情報I」の受験は必須とするが、配点しないと発表したのだ。 そうした大学の1つである北海道大学の入試担当者は、「新しい科目を設けた初年度の難易度が不安定になる」とし、2025年実施の入試については「その点を危惧して慎重に決めたいという判断」があったと話す。同じく徳島大学の担当者は「高校でどれほど学習しているか、生徒の学習度にどの程度のばらつきがあるのかを見たうえで、(大学での)カリキュラムを考慮したい。いったん(2025年実施については)様子をみて適切な対処をしたい」と説明する。 「難易度が不安定」

    共通テスト新設「情報I」に一部大学「配点なし」、急がれる情報科教育の体制強化
  • スプラトゥーン3の通信に欠かせない、UDPとNAT越えを理解しよう

    2022年9月9日、「スプラトゥーン3」が発売されました。とても楽しみにしていたのですぐに買いました。発売から1月半ほどたってこの文章を書いていますが、いろいろなステージで様々なブキを使ってインクを塗り合い楽しくプレーしています。ちなみに今のウデマエはS+30になったところです。 この特集は、人気のスプラトゥーン3を通して、最新の通信技術の基を学んでしまおうというものです。前半の今回はスプラトゥーン3を含むオンラインゲームの通信技術を解説します。後半となる次回は、実際にスプラトゥーン3のパケットをキャプチャーして、それらの通信技術が実際にどのように使われるのかを見ていきます。 なお記載内容については、筆者や編集部独自の考察や推測によるものであり、任天堂の公式見解ではないことを明記しておきます。 オンラインゲームを実現する通信技術、UDPとは 一般的なコンピューターが通信を行う主な方法にT

    スプラトゥーン3の通信に欠かせない、UDPとNAT越えを理解しよう
  • Type-Cの周辺機器をType-A端子で使える?USBの素朴な疑問

    【Q】Type-Cの周辺機器をType-A端子に挿せる? USB Type-C(タイプC)の周辺機器をパソコンのType-A(タイプA)端子に接続したい。こんなときは変換端子が頭に浮かぶが、C→Aへの変換は危険だ。業界団体のUSB-IFはそうした変換端子の利用を禁止しており、無理に変換するとパソコンや周辺機器が壊れる恐れもある(図1)。ネットショップで見かけるC→A変換端子は規約違反の製品だ。 図1 Type-Cの周辺機器の端子をType-Aに変換するのは、安全面などの理由からUSB-IFの規約で禁止されている。そのような変換端子がショッピングサイトや家電量販店などで販売されていることがあるが、安全性を考慮するなら使うのは控えよう CからAに無理やり変換すると、パソコンと周辺機器の双方がタイプAとなり、互いが「ホスト」であると勘違いして異常な電力を流そうとしてしまう。これは危険な状態だ。通

    Type-Cの周辺機器をType-A端子で使える?USBの素朴な疑問
  • アップルの部材調達で躍進する中国企業、「打順」で見る注目株

    Apple(アップル)は2021年5月27日、部材調達リスト「Apple Supplier List」の最新版(2020年版)を公開した。昨年はコロナ禍での混乱で公開されなかったため、2年2カ月ぶりとなる。同リストには、前年仕入れ額の97~98%を構成する200社が記載されており、そこからは部材メーカーのすう勢がうかがえる。前編では、過去8年分のデータを基にアップルの部材調達の最新の傾向を、日経エレクトロニクス契約記者の大槻智洋氏に分析してもらった。今回は、リストに掲載された企業数でトップの台湾に肉薄した中国サプライヤーの注目株を、野球の「打順」になぞらえて紹介してもらう。(日経エレクトロニクス) 「Apple Supplier List」の最新版に掲載されている主要な中国サプライヤーの横顔を、「野球の打順」になぞらえて見ていこう。読者の方にも身近な野球の打順に沿って紹介することで、伸び

    アップルの部材調達で躍進する中国企業、「打順」で見る注目株
  • 独学でも教えてもらってもダメ、プログラミングができない本当の理由

    今はプログラミングができないけれども、ゆくゆくはできるようになりたい。そう思っている人は多いだろう。そうした人が知りたいのは「独学でプログラミングができるようになるのか」ということではないだろうか。 こうしたことを考えているのは、「独学コンピューターサイエンティスト Pythonで学ぶアルゴリズムとデータ構造」(日経BP発行)という書籍を読み始めたからだ。著者のコーリー・アルソフ氏は、大学の政治学科を卒業し、独学でプログラミングを学んで職業プログラマーになったという。前著の「独学プログラマー Python言語の基から仕事のやり方まで」(日経BP発行)は、そうした経験を通して同氏が得たプログラミングの知識をまとめたもの。そうした知識の中から、特にアルゴリズムやデータ構造といったコンピューターサイエンスに焦点を当てて解説したのが書だ。 もっとも同氏がいう「独学」は、大学でコンピューターサイ

    独学でも教えてもらってもダメ、プログラミングができない本当の理由
  • CCCのTカード情報提供、違反ではないが「十分性」に反する

    カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が裁判所の令状なしに「Tカード」利用者の氏名や購入履歴を捜査機関に提供していることを問題視する報道が、2019年に入って広がった。しかしCCCの情報提供は、個人情報保護法には違反していない。だが日政府が欧州連合(EU)に説明した内容には反している。 報道によると、CCCは約6700万人いるTカード利用者の氏名などの会員情報や、商品の購入時に得たポイント履歴、レンタルビデオのタイトルなどを裁判所の令状なしに捜査機関に提供していた。捜査機関はCCCに「捜査関係事項照会書」を使って、情報を得ていたという。 CCCは「T会員規約」に情報提供を明記していなかった。報道を受けてCCCは、2019年1月21日に「2012年から、『捜査関係事項照会書』があった場合にも、個人情報保護法を順守したうえで、一層の社会への貢献を目指し捜査機関に協力」してきたと公表。そ

    CCCのTカード情報提供、違反ではないが「十分性」に反する
  • 全市民46万人の個人情報が流出の危機、 バックアップ用のUSBも同時に紛失

    兵庫県尼崎市は全市民の個人情報が入ったUSBメモリーを一時紛失した。業務再々委託先の社員がデータを無断で持ち出したことがきっかけだった。実はバックアップ用のUSBメモリーも保持し、2同時に紛失していたと判明した。尼崎市はセキュリティーポリシーを定めていたが、全く機能していなかった。委託先を管理できていなかった責任は重く、体制の見直しは待ったなしだ。 全市民の個人情報が入ったUSBメモリーを紛失——。2022年6月、兵庫県尼崎市で前代未聞の事件が発生した。USBメモリー内には全市民約46万人の住民基台帳の情報をはじめ、住民税の情報、非課税世帯等臨時特別給付金の対象世帯の情報、生活保護受給世帯や児童手当受給世帯の口座情報などが含まれていた。その後、USBメモリーは見つかり、同市は「情報が流出した事実は確認できていない」とするが、全市民の個人情報が流出の危機にさらされた。6月23日の公表後、

    全市民46万人の個人情報が流出の危機、 バックアップ用のUSBも同時に紛失
  • 欧州のEV推進戦略に惑わされるな、クルマも燃料も「全方位」が重要

    国連は2050年にカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ、炭素中立)を掲げており、自動車産業も脱炭素時代の戦略が求められている。そこで必要なのは電気自動車(EV)に絞り込むのではなく、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などを含めた「全方位開発」だ。「日経クロステック ラーニング」の「脱炭素時代の自動車戦略2022 日欧米中の戦略とあるべき戦略」の講師である藤村俊夫氏はそう訴える。各国政府やメーカーの戦略の違いと、日メーカーがとるべき戦略とは何か。藤村氏に聞いた。 2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、国や自動車メーカーが優先的に取り組むべきことは何でしょうか。 藤村氏:自動車の電動化については、欧州のように顧客に負担を強いるEV推進に偏るのではなく、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)も含めた全

    欧州のEV推進戦略に惑わされるな、クルマも燃料も「全方位」が重要
  • 中印激増で25年にRISC-V搭載IC累計600億個、最大手から車載向けコアも

    RISC-Vコア最大手の米SiFive(サイファイブ)は、2022年7月28日に東京で報道機関向け会見を開いた。RISC-Vの普及状況、同社製品のラインアップや実績、および日法人の設立に関して説明した。 会見に登壇したのは、同社のJack Kang氏(Senior Vice President, Business Development, Customer Experience, and Corporate Marketing)と2022年8月に設立予定の日法人の代表取締役社長に就任するSam Rogan氏である(図1)。Kang氏によれば、RISC-Vは同社の共同創業者で米カリフォルニア大学バークレー校教授のKrste Asanovic氏らが2010年に開発したRISCプロセッサーの命令セットアーキテクチャー(ISA:Instruction Set Architecture)である。

    中印激増で25年にRISC-V搭載IC累計600億個、最大手から車載向けコアも