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ブックマーク / honz.jp (58)

  • 2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ

    2011年7月15日にオープンしたノンフィクション書評サイトHONZ。日2024年7月15日をもちまして13年間のサイト運営に終止符を打つこととなりました。 2011年の東日大震災から、記憶に新しいコロナ禍まで。はたまたFacebookの時代からChatGPTの到来まで。その間に紹介してきた記事の総数は6105。 発売3ヶ月以内の新刊ノンフィクションという条件のもと、数々のおすすめを紹介する中で、様々な出会いに恵まれました。信じられないような登場人物たち、それを軽やかなエンターテイメントのように伝える著者の方たち、その裏側で悪戦苦闘を繰り広げていたであろう版元や翻訳者の皆さま。さらに読者へ届ける取次会社や書店員の皆さま、そしてHONZを愛してくださったすべての皆さま、当にありがとうございました。 サイトを閉じることになった理由に、明快なものは特にありません。こんなサイトがあったら

    2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ
    georgew
    georgew 2024/07/15
    本日2024年7月15日をもちまして13年間のサイト運営に終止符を打つこととなりました > ありゃーHONZ終わっちゃうのか。ビジネスではなく成毛さんの慈善事業かと勝手に思ってただけに意外。
  • 無限大のドルを求めた果てに逮捕された男の転落記──『1兆円を盗んだ男』 - HONZ

    1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊 作者: マイケル・ルイス 出版社: 日経BP 日経済新聞出版 発売日: 2024/6/26 この『1兆円を盗んだ男』は、『マネー・ボール』や『最悪の予感』などで知られるマイケル・ルイスの最新作。今回彼がテーマに選んだ人物は暗号資産取引所FTXを立ち上げ莫大な富を築き上げた後、2022年に逮捕されてしまった男サム・バンクマン=フリードだ。 マイケル・ルイスといえば複雑な題材であっても見事な一筋の通ったストーリーに仕立て上げるノンフィクションの名手だ。しかし、書ではさすがにそうもいかなかったらしい。最終的には年間で10億ドルもの利益をあげるようになり、20代で長者番付にも名を連ねた暗号資産の若き天才に幼少期から迫る──というプロローグながら、マイケル・ルイスの取材中にFTXは破産。 その後、サムはFTXの破産と関連した詐欺やマネーロンダリングを

    無限大のドルを求めた果てに逮捕された男の転落記──『1兆円を盗んだ男』 - HONZ
    georgew
    georgew 2024/07/07
    マイケル・ルイスの最新作 > 新作出たんですね。是非原著で読みたい。
  • 『自衛隊の闇組織』「別班」は実在する! - HONZ

    TBSのドラマ『VIVANT』が話題だ。我が家もドはまりしていて家族は毎週考察に夢中である。主人公の乃木憂助は自衛隊の裏の組織「別班」の工作員だったが、その後テロ組織の一員となった。「潜入」なのか「転向」なのかはいまのところ不明だが、予測を裏切る脚が売りなので、この先もあっと驚く展開が用意されているのかもしれない。 さて、設定が自衛隊の秘密部隊ともなると、当然のことながら家族からこんな疑問の声があがる。 「“別班”って当にあるの?」 「あるよ」即答したら、「え―――っ!?」と大興奮。そこで別班の成り立ちや任務、公安との違いなどを解説してやると、子供たちは珍しく尊敬の眼差しである。それだけではない。日頃、掃除機での山を突き崩す嫌がらせを繰り返すまでもが感心しているではないか。ひさびさに父親の面目を保てた気分だが、実は解説のほとんどが書の受け売りだというのは秘密である。もっともドラマ

    『自衛隊の闇組織』「別班」は実在する! - HONZ
    georgew
    georgew 2023/10/09
    表に出して日本版CIAとして組織化した方がいいのではないか。裏でコソコソ米軍の別働隊みたいな真似はしないでほしい。やらされてる当人たちも浮かばれない。
  • 『最後の海賊』その先に待つのは破滅か、栄光か - HONZ

    楽天グループが危機に瀕しているという声をよく聞く。 2023年1月~6月期の連結決算は、最終損益が1399億円の赤字。好調な事業もグループ内にはあるものの、営業赤字が1850億円にのぼったモバイル事業が大きく足を引っ張っているとされる。加えて来年以降は、基地局整備などに充てるために発行した社債も大量の償還を迎える。償還に向け、グループ会社の上場や一部資産の売却など資金調達に追われているのが現状だ。 確かに苦しい局面に置かれているように見える。 だが書を読んだ人は、見る目が変わるかもしれない。 書を読むと、海外では楽天に対する見方がまるで違うことに驚く。モバイル事業では楽天はむしろ世界の注目を集めているという。「携帯ネットワークの完全仮想化」というイノベーションを世界で初めて商用ベースで実現したからだ。 「仮想化」とは、ハードをソフトに置き換えること。ワープロ専用機がワープロソフトに置き

    『最後の海賊』その先に待つのは破滅か、栄光か - HONZ
    georgew
    georgew 2023/09/21
    「携帯ネットワークの完全仮想化」というイノベーションを世界で初めて商用ベースで実現 > へー。今評論家筋は楽天崩壊論一色だけどこうしたある種誰でも言える予測は当たらないと思ってる。好き嫌いは別にして。
  • 『空想地図帳 架空のまちが描く世界のリアル』最高密度かつ圧倒的熱量の密室趣味 - HONZ

    思い出話だが、評者は小学生のとき、空想の街を考えるのが好きだった。自由帳にRPGの地図ような架空世界を描いたり、家にあるレゴブロックやオモチャを並べて街に見立てたり。シムシティやシティーズスカイラインといった街づくりゲームにハマり、寝も忘れてプレイした記憶もある。 そうした、実在しない街や地域を大人になっても地図に描き、追究し続ける人々がいる。それも、描き方だけでなく、地理、地形の形成、歴史、都市計画といった広範な専門知識をインプットしてフル活用し、ぎょっとするほど緻密でリアルな世界を創造している。書はその驚異の空想世界の数々と製作方法をレクチャーする贅沢な地図帳である。いやこれ、当にわくわくするので、書店に行ってめくってみるなり購入するなりして早急に現物を見てほしい。 さて、どれほど緻密なのか。書ではまず16人の空想地図作者による作品が紹介される。いくつかピックアップしてみよう。

    『空想地図帳 架空のまちが描く世界のリアル』最高密度かつ圧倒的熱量の密室趣味 - HONZ
    georgew
    georgew 2023/07/01
    子供の頃やってました。空想テレビ番組表も作ったりしてた。今でも頭の中だけですが架空の街を夢想したりはする。変かな?
  • 『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』書けなくなった批評家を救ったもの - HONZ

    ひさしぶりに会った知人の変貌ぶりにショックを受けることがある。書を書店で見かけた時の驚きもそれに近い。表紙の男性と著者名が一瞬つながらず、人だと気づいて衝撃を受けた。別人のように痩せている。それも何か大病を患ったことをうかがわせるような痩せ方ではないか。 90年代からゼロ年代を通じた福田和也の活躍ぶりは、まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」という言葉がぴったりだった。「月300枚書く」と人が言っていたように、文芸評論や時事評論、エッセイ、コラムを書きまくり、ワイドショーのレギュラーコメンテーターを務め、文芸誌『en-taxi』を編集し、母校である慶應大学の教壇にも立った。当時、夜の街でもしばしば著者を見かけた。バリバリ仕事をしつつ遊びもこなす姿が眩しかった。 著者を知ったのは学生時代のことだ。江藤淳に才能を見出されたというふれこみで、雑誌『諸君!』でいきなり連載が始まった。破格の扱いだった。

    『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』書けなくなった批評家を救ったもの - HONZ
    georgew
    georgew 2023/05/07
    福田和也氏の新著。飛ぶ鳥落とす勢いだったはずが暴飲暴食の果てに体がボロボロ、老いらくの恋(?)で出奔。人生ってほんとわからん。
  • 『欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア』あなたが何かを欲しいと思う気持ちは、本当にあなた自身の欲望なのか? - HONZ

    『欲望の見つけ方 お金恋愛・キャリア』あなたが何かを欲しいと思う気持ちは、当にあなた自身の欲望なのか? タイトルも装幀も、いかにも自己啓発といった趣向だが、読み始めるとまるで見当違いだったと気付かされる。書の書き出しを引用しよう。 このは人がなぜそれを欲するかについて書いたものだ。あなたが欲しいと思うものを、あなたはなぜ欲しいのか。 人間は欲望で動いている。年収1000万になりたい。タワーマンションで快適な暮らしをしたい。早めに結婚して平和な家庭をつくりたい……。しかし、そうした欲がなぜ自分の中に生まれたか考えたことはあるだろうか。よくよく考えてみれば、自分ではない他の誰かの欲望を真似ているだけの可能性はないか? いや、はっきり書こう。実は我々が欲しがるもの、そのほとんどが模倣によるもので、内在するものではない。有り体に言えば、他人の欲しいもの・持っているものが欲しいのである。「

    『欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア』あなたが何かを欲しいと思う気持ちは、本当にあなた自身の欲望なのか? - HONZ
    georgew
    georgew 2023/05/06
    実は我々が欲しがるもの、そのほとんどが模倣によるもので、内在するものではない > これと似たような話は、國分功一郎著「暇と退屈の倫理学」(新潮文庫) でもちょっと触れてた。
  • 『国商』権力と一体化した男の実像 - HONZ

    政商という言葉はあるが、国商は聞いたことがない。 政商とは、時の権力と結託して特別な利益を貪る商人のこと。国商はさしずめ国家と一体化した商人といったところか。 だいたい異名というのは、尾鰭のついた評判によって肥大化した虚像に対してつけられるものと相場が決まっている。だが書を読み進むうちに、国商とは実に鋭く故人の質を突いた呼称ではないかと思った。 2022年5月25日、葛西敬之が世を去った。享年81。JR東海に長く君臨した大物財界人であるとともに、近年は政界の黒幕としても知られた。安倍晋三の後見人として、憲政史上最長の政権を支え、内閣の主要閣僚から官僚の人事に至るまで助言したとされる。 葛西が支えた安倍も、参議院選挙の投票日を2日後に控えた7月8日、奈良県近鉄大和西大寺駅前で応援演説中に凶弾に斃れた。葛西の死からわずかひと月半後のことだった。 葛西と安倍が世を去った今、権力に空白が生じて

    『国商』権力と一体化した男の実像 - HONZ
    georgew
    georgew 2022/12/25
    過大評価されてる印象強い。鼻持ちならないエリート意識の塊である鉄道官僚など戦前の亡霊としか言いようがない。
  • 『ザ・パターン・シーカー──自閉症がいかに人類の発明を促したか』 if-and-then思考とハイパー・システマイザー - HONZ

    エジソンやビル・ゲイツもそうなのだという。あるいは、ピアニストのグレン・グールドや、バスケットボール選手のコービー・ブライアントも。彼らはみな「パターン・シーカー」、すなわちパターン探しの達人であると考えられる。そして、そのようなパターン・シーカーこそが人類の偉大な発明を導いてきたのだと書は主張する。 書の著者は、イギリスの著名な心理学者サイモン・バロン=コーエンである。彼が「パターン・シーカーこそが人類の偉大な発明を導いてきた」と言うとき、その意味するところはふたつある。ひとつは、上で述べたように、偉大な発明家の多くが卓越したパターン・シーカーであること。そしてもうひとつは、ヒトが身につけたパターン探しの能力こそが、ヒトの進化史において偉大な発明を導いてきたということである。 ならば、そのパターン・シーカーという特性はどのようなものだろうか。それは、簡単に言えば、一見しただけでは明ら

    『ザ・パターン・シーカー──自閉症がいかに人類の発明を促したか』 if-and-then思考とハイパー・システマイザー - HONZ
    georgew
    georgew 2022/12/21
    正直かなり牽強付会というか怪しげな解釈もとい妄想。そんな単純なわけないやん。
  • 『ソ連兵へ差し出された娘たち』“数え年で18歳以上、未婚” その慟哭は今も聞こえる - HONZ

    1945年8月9日、ソ連の対日戦参戦によって満州開拓団の日人移民は祖国に捨てられた。日に引き揚げるまでの悲惨な生活は、さまざまな小説や手記によって明らかにされてきた。だが、女性たちの経験を語ることはタブーとされてきた。 著者は中国残留孤児の取材中、ソ連兵が日人女性を襲うという蛮行の裏に、日人集団内の支配関係によって強いられた犠牲があったことを知る。開拓団の人から頼まれてソ連兵のところへ行かされた、というのだ。調査を続けるうち岐阜県黒川村を中心に満州へ渡った黒川開拓団の女性からの協力を得た。 取材の数か月前に亡くなったという犠牲者のひとり、善子さんは「乙女の碑」という4ページの詩を残していた。その一節を引く。 乙女の命と引き替えに 団の自決を止める為 若き娘の人柱 捧げて守る開拓団 残された日人には集団自決か、死を覚悟して脱出するか、この場で生き残りに賭けるか、しか選択肢はなかった

    『ソ連兵へ差し出された娘たち』“数え年で18歳以上、未婚” その慟哭は今も聞こえる - HONZ
    georgew
    georgew 2022/02/26
    なんたる蛮行!
  • 『文芸ピープル』言葉の壁を越える日本文学 - HONZ

    翻訳は面白い。例えば、松田青子の短編集『おばちゃんたちのいるところ』の英訳タイトルWhere The Wild Ladies Areを初めて目にした時、「おばちゃん」が“Wild Lady”と訳されているのに笑ってしまった。ワイルドレディー。ひとたび目にするともう、「ヒョウ柄の服を着たやたら圧の強い年配女性」のイメージしか浮かばない。ちなみにこの作品は昨年、「TIMEが選ぶ10月のおすすめの新刊」に選ばれた。 ここ数年、日の女性作家が英語圏で注目を集めている。 2018年、村田沙耶香の『コンビニ人間』(Convenience Store Woman)がニューヨーカーなど十数誌で「ブック・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、多和田葉子の『献灯使』(The Emissary)が全米図書賞翻訳文学部門を受賞した。 2019年には、小川洋子の『密やかな結晶』(The Memory Police)が全米図

    『文芸ピープル』言葉の壁を越える日本文学 - HONZ
    georgew
    georgew 2021/05/27
    ちょっとびっくり。こういう文化的動きは全然知らなかった。
  • 『安いニッポン 「価格」が示す停滞』賃金も生活の満足度も低い 日本の「豊かさ」とは何か - HONZ

    『安いニッポン』というタイトルは、少し前ならキャッチーなものだったかもしれないが、今となってはうら寂しく感じられる。多くの国民が、世界の先進国と比べると自分たちは「下流」だ、ということに薄々気づいてしまっているからだ。 書は、一昨年、日経済新聞に掲載された「安いニッポン」シリーズをベースに、新たな取材から得た話などを盛り込み書籍化したものだ。連載時とくに反響が大きかったのは、「『年収1400万円は低所得』人材流出、高まるリスク」の記事だったという。 米住宅都市開発省がサンフランシスコで年収1400万円の4人家族を「低所得者」に分類した一方で、日で最も平均所得の高い東京都港区でも平均年収は約1217万円。つまり日富裕層居住エリアとされる港区でも、平均所得はサンフランシスコの「低所得」並みなのである。 また、世界のディズニーランドの大人1日券の料金を見ると、東京ディズニーランド(TD

    『安いニッポン 「価格」が示す停滞』賃金も生活の満足度も低い 日本の「豊かさ」とは何か - HONZ
    georgew
    georgew 2021/05/16
    英語もできないしどん詰まりですね!
  • 彼女はいったい何者なのかー。『女帝 小池百合子』 - HONZ

    この2ヶ月間、彼女を見かけない日があっただろうか。テレビや新聞、ネットで私たちは毎日のように彼女の姿を目にし、彼女が語る言葉に耳を傾けてきた。誰もが彼女の顔と名前を知っている。そこには見慣れたリーダーの姿があった。 だが書を読んだ後は、奇妙な感覚にとらわれるに違いない。彼女のことを確かに知っていたはずなのに、急に見知らぬ人間のように思えるからだ。そして次の瞬間、戦慄が背筋を駆け上る。「この人は、いったい何者なのか……」 書は女性初の東京都知事であり、また女性初の総理候補とも目される小池百合子の知られざる半生を描いたノンフィクションである。書の発売日前後に、ある新聞のコラムで「暴露」と表現しているのを見かけたが、おそらくコラムの書き手はこのを読まずに書いたのだろう。著者は3年半にわたる綿密な取材を通じて、百人を超える関係者の証言を集め、小池が長年にわたり隠し続けてきた経歴にメスを入

    彼女はいったい何者なのかー。『女帝 小池百合子』 - HONZ
    georgew
    georgew 2020/06/03
    政治家は大なり小なりサイコパスだなと。
  • 『文化大革命 人民の歴史 1962-1976(上・下)』文化大革命が破壊したもの、暴かれる独裁政権の本質 - HONZ

    文化大革命 人民の歴史 1962-1976(上・下)』文化大革命が破壊したもの、暴かれる独裁政権の質 1958年から61年まで続いた大躍進政策の失敗により、中国は数千万人の死者を出す。この政策で中国の経済は破壊され、農村部は崩壊してしまう。農民たちは飢え・過労と地方の共産党幹部の暴力に苦しみながら命を落としていった。この未曾有の失政により、毛沢東の権威は失墜するのである。 国家的な危機を受けて行われた「七千人大会」で劉少奇や彭真、彭徳懐らをはじめとする多くの党幹部が毛沢東を批判する。書冒頭はこの緊迫した党大会から始まる。 老練な毛沢東は、巧妙な自己批判と軍幹部の林彪の助けを得て窮地を脱する。しかし、異常なまでに執念深く偏執狂的な老独裁者は、このときの侮辱を忘れることなく、批判者への復讐を誓う。 書は、膨大な資料を徹底的に読み込み「大躍進政策」の全貌と中国人民の塗炭の苦しみを暴いた良

    『文化大革命 人民の歴史 1962-1976(上・下)』文化大革命が破壊したもの、暴かれる独裁政権の本質 - HONZ
    georgew
    georgew 2020/05/23
    稀代の極悪人毛沢東の大罪。西側では今更感ある周知の事実ではあるが。
  • 『掃除で心は磨けるのか いま、学校で起きている奇妙なこと』ある特定の方向へ誘導する教育の問題 - HONZ

    小学校に通う子どもの通知表を見ていたときのことだ。教科ごとに4つの評価項目が設けられているが、「社会」のところに「おや?」と目が留まった。項目がすべて同じ文章になっている。「もしかして誤記?」と思ったのだ。 よくよく見ると同じ文章ではなかった。だが、勘違いするのも無理はない。「我が国の歴史や伝統、世界の国々に〜」「我が国の歴史や伝統の意味について考え〜」など冒頭がすべて同じ文言だったのだから。なにこれ? 2017年、初めて行われた道徳の教科書検定が話題となった。ある教科書に載った教材に文部科学省が意見をつけ、教材に取り上げられた店が「パン屋」から「和菓子屋」に変更されたのだ。 文科省は具体的な差し替え箇所を指示したわけではないというが、教科書全体を通して「我が国や郷土の文化に親しみ、愛着をもつ」点が不足していたと説明している。パン屋よりも和菓子屋のほうが我が国の伝統にかなっているということ

    『掃除で心は磨けるのか いま、学校で起きている奇妙なこと』ある特定の方向へ誘導する教育の問題 - HONZ
    georgew
    georgew 2019/04/22
    学校の掃除を生徒にタダ働きでやらせてるの日本ぐらいじゃないの?
  • 『サカナとヤクザ』ニッポンの食卓を支える、魑魅魍魎の世界 - HONZ

    裏社会のノンフィクションはこれまで何冊も読んできたが、最も面白みを感じるのは無秩序のように思える裏社会が、表社会とシンメトリーな構造を描いていることに気付かされた時だ。 しかしここ数年は暴対法による排除が進み、ヤクザの困窮ぶりを伝える内容のものばかり。相似形どころか、このまま絶滅へ向かっていくのかとばかりに思っていた。だから彼らがこんなにも身近なところで、表社会とがっちりスクラムを組んでいるとは思いもよらなかったのである。 書は、これまでに数々の裏社会ノンフィクションを描いてきた鈴木智彦氏が、サカナとヤクザの切っても切れない関係を、足掛け5年に及ぶ現場取材によって描き出した一冊だ。 これまでなぜか語られることのなかった品業界最大のタブーを真正面から取り上げながら、一ミリの正義感も感じさせないのが、著者の真骨頂である。そして、もはやヤクザの世界に精通していなければ読み解けないほど、サカナ

    『サカナとヤクザ』ニッポンの食卓を支える、魑魅魍魎の世界 - HONZ
    georgew
    georgew 2018/10/05
    私達が普段手にする海産物のうち、密漁によって入手されたものの割合がいかに多いか > これは腰抜かしそうな話だった。
  • ケネディーはクスリ漬け、スターリンはパラノイア、そして毛沢東は…『主治医だけが知る権力者 : 病、ストレス、薬物依存と権力の闇』 - HONZ

    国家元首の主治医たちをめぐるノンフィクションである。もちろん、主治医についてだけでなく、元首たちの病気や性癖、投薬についても詳しく描かれている。登場する元首たちは並みの権力者ではない。ヒトラー、チャーチル、ペタン、フランコ、ムッソリーニ、ケネディー、スターリン、毛沢東。それぞれの身体状況とそれに対する治療が政治に大きな影響を与えていた。そして、主治医たちは大きな役割を担っていたのである。 文字通り、元首の主治医は裸の権力者を見続ける。そのためには、まず元首に気に入られなければならない。その上、お気に召すような治療をしなければならない。一方で、気にそまぬアドバイスをしなければならないこともあれば、病状をひた隠しにせねばならないこともある。権力者の主治医には、医術以外に相当な技量が要求される。 主治医によっては虎の威を借りて権力をふるおうとする者もいる。たとえそのようなことがなくとも、周囲から

    ケネディーはクスリ漬け、スターリンはパラノイア、そして毛沢東は…『主治医だけが知る権力者 : 病、ストレス、薬物依存と権力の闇』 - HONZ
    georgew
    georgew 2018/09/28
    ジェイコブソン、またの名を「ドクター・フィールグッド」 > このあだ名ええわー(笑)。
  • 【連載】『全国マン・チン分布考』第2回:「女陰」方言のきれいな円 - HONZ

    放送禁止用語に阻まれた『探偵! ナイトスクープ』の幻の企画が、ついに書籍で実現。かつて『全国アホ・バカ分布考』で世間を騒がせた著者が、今度は女陰・男根の境界線に挑む! 第2回は「「女陰」方言のきれいな円」について。「女陰」の表現は、京を中心にきれいな多重の円を描いていることが明かされる!(HONZ編集部) 第1回はこちら 「女陰」方言のきれいな円 この「女陰」「男根」言葉は、「消滅の危機に瀕する」方言のひとつとして、文部科学省のバックアップのもと、東北大学教授の小林隆氏をリーダーにして(私と同じ、全国市町村の教育委員会への郵送によって)、2000〜02年に調査された数多くの語彙の中に含まれ、そのデータは早くも2003年に報告書として公開されました。 この成果はさまざまな研究者に活用されています。「女陰」については『方言研究の前衛』(2008)に、中井精一氏の研究報告があります。ただしここで

    【連載】『全国マン・チン分布考』第2回:「女陰」方言のきれいな円 - HONZ
    georgew
    georgew 2018/09/21
    方言周圏論 > これは知らんかった。
  • 【連載】『全国マン・チン分布考』第1回:京都の若い女性からの切実な願い - HONZ

    京都の若い女性からの切実な願い 1995年5月初旬のことです。ユニークな内容が書かれた一通の手書きの依頼文が、『探偵!ナイトスクープ』に寄せられました。そのころはまだパソコンが普及していませんでしたから、依頼は必ず、はがきか手紙で寄せられました。 手紙をくれたのは、京都市内に住む24歳の女子学生でした。地元京都で学生になる前に、東京で働いていた時期があったようです。この依頼はまさにこののテーマ、なんと「女陰」の名称の全国方言分布図を作成してほしいと求める内容だったのです。こんなお願いが、若い女性から、しかも大真面目な文章で寄せられてくるとは、夢にも思っていませんでした。 私たちに依頼文が届いたのは、1991年5月24日に「全国アホ・バカ分布図の完成」編を放送してから、ちょうど4年が経ったころでした。この放送をきっかけに、私が「アホ・バカ方言」の研究を仕事の合間に始め、『全国アホ・バカ分布

    【連載】『全国マン・チン分布考』第1回:京都の若い女性からの切実な願い - HONZ
    georgew
    georgew 2018/09/14
    (饅頭を指して)「おまん」を使います。関西なら、誰もがふつうに聞いてくれます > 京都言葉やね。少なくとも神戸圏では聞いたことない。
  • 『わたしは不思議の環』 あるいはゲーデルの渦、シンボルのダンス、自己増強する錯覚 - HONZ

    わたしたちが最もよく知っているものでありながら、それが結局何なのかはまるでわからないもの──そう、それが「私」である。「私」とはいったい何であるのか。また、わたしの脳からどうやって「私」が生じてくるのか。書は、その難問に認知科学者のダグラス・ホフスタッターが挑んだものである。 ホフスタッターといえば、その前著『ゲーデル、エッシャー、バッハ』があまりにも有名だろう。彼がおよそ40年前に上梓したその処女作は、巧みな比喩とアナロジーで多くの人の知的好奇心を刺激し、世界に広く知られるベストセラーとなった。今回の著書でも比喩やアナロジーの巧みさは健在で、その内容も読者の想像力を大いに刺激するものとなっている。 では、「私」とは何であるというのか。それに対するホフスタッターの答えは、書のタイトル(原題:I Am a Strange Loop)においてすでに表明されている。すなわち、「私」とは「奇妙

    『わたしは不思議の環』 あるいはゲーデルの渦、シンボルのダンス、自己増強する錯覚 - HONZ
    georgew
    georgew 2018/08/17
    ホフスタッターといえば、その前著『ゲーデル、エッシャー、バッハ』 > これは原書の方が安かったもんで長いこと積ん読状態だが、別に読もなくてもいい気がしてきた。無駄に長いだけか。