川上: 現実社会では「謝ったほうが得だ」という、一種の暮らしの知恵があるわけですが、ネットにおいてそれは通用しません。 もちろん、ネットのほうも、“謝らない会社”に対する嫌がらせのノウハウが蓄積してきたので、スポンサーや取引先などにみんなが一斉に苦情の電話をかけるといったことをやるわけです。それに対抗できるのか、ということを考えていくと、普通の会社だったら、「面倒だから謝れ」というような意見が出ちゃいますよね。 山田: なるほど。最後のキーワードが「嫌儲(人がもうける行為を嫌うこと)」です。これはどういうことでしょうか。 川上: 要するにネットの人たちは社会的弱者なので、経済的にも弱者であるケースが多いということです。だから、儲かっているような人が許せない。いろんな複雑な感情を持っているのです。 山田: 嫌儲は、増えていくのでしょうか。 川上: 間違いなく増えていきますね。国全体が貧乏にな