中国経済の回復は可能だろうか?(20)―信用乗数の上昇は何を物語っているのか?― 2018年7月20日 信用乗数は国によって異なった数値を示します。血圧や脈拍数が人によって異なるのと似ていますよね?血圧や脈拍数が非常に高い人は、健康上やや不安を覚えることでしょう。 血圧や脈拍数と異なって、高い低いが信用乗数の正常・異常を意味することはありません。では、信用乗数とは何でしょうか?どんな意味があるのでしょうか? まず信用乗数の計算の仕方ですが、マネーストックをマネタリーベース(ベースマネー、ハイパワードマネーなどと言う場合もあります)で割った数値のことです。マネーストックを以前は「貨幣供給量」と呼んだことがありますが、いま、日本ではそう呼びません。 マネーストックとは、「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」、具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(金融機関・中央
またまた素人考えで申し訳ないんですけど、ちょっと考えたことがあったので。 まず、こちらの資料を御覧下さい。 第1-8-9図 信用乗数とハイパワードマネー 第1-2-15図 貨幣乗数の推移 第1-2-14図 マネタリーベースの要因分解 ①信用乗数は92年頃に12.4、以後低下が継続、99年に10を切り、03年以降には6倍台まで低下。 ②現金預金比率は85~90年には約8%程度だったが、バブル崩壊後に上昇、02年には10%超。 ③量的緩和で日銀当座預金残高の増加でマネタリーベース増はあったものの、信用乗数は戻らず。 信用乗数が約半分にまで落ちてしまっていたので、信用創造機能は大きく落ちたということです。この理由として考えられるのは、 ・企業が有利子負債圧縮の為にひたすら返済 ・人々はあまり銀行に預けない(=現金選好) ということがあるかもしれませんが、そもそもデフレだから、というのが一番でしょ
日本銀行による量的・質的金融緩和(QQE)の導入から、まもなく2年が経過する。この間、銀行預金は高めの伸びを続け、マネーストック(M3)も前年比3%弱を記録してきた(2014年5月「異次元緩和が終われば、民間預金は減少する?」参照)。しかし、日銀が供給してきたマネタリーベースの金額に比べれば、マネーストックの増加額は僅少にとどまる。 マネーストックとは、企業や家計等が保有する通貨の総量をいい、主に(1)現金と(2)預金からなる。マネタリーベースとは、日銀が供給する通貨の量をいい、(1)現金と(2)金融機関が日銀に預ける当座預金からなる。マネーストックをマネタリーベースで除したものが「信用乗数(または貨幣乗数)」である。 金融の伝統的な理解は、マネタリーベースを増やせば、それ以上にマネーストックが増えるというものだった。中央銀行が金融機関に資金を供給すれば、金融機関はこれを原資に貸出を行い、
【解説】 こんにちは。信用創造についてのご質問ですね。 信用創造とは、銀行が貸し出しを繰り返すことによって、銀行全体として、最初に受け入れた預金額の何倍もの預金通貨をつくりだすことをいいます。 では、上記の図をもとに、信用創造の仕組みを説明していきますね。 例えば支払準備率が10%の時、銀行Aが100万円を預金として受け入れると、支払準備金(預金者への払い戻しに備えて手元に残す資金のこと)10万円を残して、残り90万円をXさんに貸し出します。 Xさんがその資金(90万円)をYさんへの支払いにあてると、Yさんは90万円を自分の取引銀行Bに預金します。 すると銀行Bは、受け入れた預金の10%の9万円を支払準備金として残し、81万円をZさんに貸し出します。 このように銀行が貸し出しを繰り返すことで、銀行全体として預金総額が膨れ上がり、預金総額は当初の預金額の1/支払準備率倍、すなわち100万円×
今回は日銀による基本的な通貨供給と銀行の関係をバランスシートで考えてみよう。一般には日銀がおカネを刷ることで世の中のおカネが増えると言われておる。では、日銀が刷ったおカネ(現金)はどのようなルートで世の中に流れだすのじゃろうか?これに即答できる一般人は誰もおらんじゃろう。 一般に、そこまで考える人はめったに居ない。しかし質問されると、実は「何も知らされていない」ことに驚くじゃろう。偉そうな上司でも、この質問には頭を抱えるはずじゃ。 日銀の刷ったおカネは基本的に貸し出しを通じて世の中に供給されるんじゃ。つまり日銀が銀行(民間銀行)に貸し出し、銀行が企業や個人に貸し出すことで始めて世の中に供給される。じゃから、借りる人が居ないと日銀がどれほど大量のおカネを刷っても世の中のおカネは一円も増えない。では、貸し出しによって世の中のおカネが増える様子をバランスシートを使ったモデルで考えてみよう。 (図
市川レポート(No.502)マネタリーベースとマネーストックの関係を再考する 日銀がマネタリーベースを増やした場合、その信用乗数倍マネーストックが増えるという考え方がある。 実際は、マネタリーベースが急増しても、信用乗数が低下し、マネーストックはそれほど増えなかった。 両者の関係を考える場合、企業と銀行の利潤最大化行動というミクロ的基礎付けの観点も必要。 日銀がマネタリーベースを増やした場合、その信用乗数倍マネーストックが増えるという考え方がある マネタリーベースとは、「日銀が供給する通貨の総量」です。具体的には、市中に出回っている流通現金(日本銀行券発行高と貨幣流通高、つまりお札と硬貨)と、日銀当座預金(民間銀行が日銀に保有している当座預金)の合計値です。一方、マネーストックとは、「日銀を含む金融部門全体が供給する通貨の総量」です。具体的には、企業や家計などの経済主体が保有する現金や預金
金融不安などで金融機関の資金繰りが悪化した場合に備えて、金融機関に対して、日本銀行当座預金に預かり資産の一定比率(準備率)以上を預け入れることを義務付けている制度。準備預金制度の準備率については、日本銀行政策委員会が金融政策決定会合において設定・変更・廃止します。日銀当座預金に預け入れなければいけない最低金額を、「法定準備預金額」(または「所要準備額」)といいます。準備預金制度の対象となる金融機関が、法定準備預金額を超えて日本銀行に預けている当座預金または準備預かり金を、「超過準備」といい、超過準備に付く金利をマイナスにする政策をマイナス金利(政策)と呼びます。 ひとくちメモ 準備預金制度の対象となっている金融機関は、銀行、信用金庫(預金残高1600億円超の信用金庫のみ)、農林中央金庫です。
(前回はこちら) 前回、「日銀が国債を全て買い切れば、『国民負担無し』で財政再建が終了する」といった主旨の言説が誤解であることを証明した。 今回は、「日銀がマネタリーベース(現金+準備)を拡大すれば、民間銀行は貸出を増やすはずである」という主張も、「準備」(中央銀行が民間銀行から預かっている預金=日銀当座預金)が超過となっている現在の状況では成立しないことについて述べる。 この理由は2つある。一つは現在の超過準備が異常な規模に達していること。もう一つは、現代の金融システムで資金決済の中核を担うのは「現金」でなく「預金」だからだ。その際、第1 の理由との関連では、「一定程度の超過準備があるとき、民間銀行が貸出を増やしても、準備は基本的に変化しない」という事実に関する理解が重要である。この理由や事実を把握するため、例えば図表1のケースで、家計AがB社の不動産を購入する際、民間銀行が家計Aに50
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