【モスクワ=副島英樹】第2次世界大戦下のソ連でポーランド人将校ら約2万人が秘密警察に集団銃殺された「カチンの森事件」をめぐり、ロシア下院は26日、「カチンの犯罪はスターリンや他のソ連指導者の直接の命令で行われた」と認める声明を賛成多数で採択した。両国の「歴史のトゲ」である同事件でスターリン批判を鮮明に打ち出し、欧州での反ロシアの軸となってきたポーランドとの和解を後押しする狙いがある。 ロシアのメドベージェフ大統領は来月6日、大統領としては8年ぶりにポーランドを公式訪問する。下院での声明は、訪問に向けた環境整備の形で採択された。 声明では、長く秘密にされてきた資料の公開で、独裁者スターリンらの直接の命令があったことが裏付けられたと指摘。「ソ連の公式のプロパガンダで(事件は)ナチス・ドイツの仕業とされてきたことが、ポーランド国民の怒りや恨み、不信を生んできた」とし、「いわれなき弾圧の犠牲者