ブロックチェーンをはじめとする分散台帳技術の実用化に向け、三菱東京UFJ銀行などのユーザー企業と、日本IBMや日本オラクルといったITベンダーの動きが加速している。2017年3月以降、実証実験の開始やコンソーシアム参加が相次いだ。 分散台帳技術は、取引履歴などのデータベース(台帳)を単一の中央組織が管理せず、複数プレイヤーが分散管理する仕組みを指す。金融取引の場合、台帳を集中管理する「信頼ある第三者」が不要になり、取引コストを減らしやすい。製造業のサプライチェーン管理などへの応用も期待される。 ビットコインから派生したブロックチェーン技術と、分散データベースの分野で研究が進む「合意アルゴリズム」を組み合わせ、多様な分散台帳ソフトウエアが登場している(表)。
「ブロックチェーンはトランザクションの根本を変える力がある」。米IBMのアーヴィン・クリシュナ ハイブリッドクラウド&ディレクター担当シニア・バイス・プレジデントは2017年3月20日(米国時間)、米国ラスベガスで開催中のクラウド関連イベント「IBM InterConnect 2017」の基調講演でこう話した。クリシュナ氏は「ブロックチェーンは決済だけにとどまらない」と、「IBM Blockchain」を使った事例などを紹介した。 クリシュナ氏は「ブロックチェーンがネット上の処理の共通プロトコルになる」と話す。IBMが参加するオープンソースのブロックチェーン基盤「Hyperledger Fabric」を使ったIBM Blockchainは「1万件のトランザクションを1秒で処理できる」(クリシュナ氏)と、性能の高さにも自信を見せた。 ブロックチェーンは仮想通貨の基盤や送金技術といった金融業界
人工知能やビッグデータといった最先端のIT技術を活用した新たな金融サービスをさす「フィンテック」という言葉を目にしたことはないでしょうか。 スマートフォンで買い物の支払いができたり、指紋で預金を引き出せたりといったサービスも、フィンテックの1つです。 このフィンテックを支える基盤として、いま、注目されているのが「ブロックチェーン」と呼ばれる技術です。いったいどんな技術で、どんな可能性を秘めているのでしょうか。 (経済部 新井俊毅) 「ブロックチェーンの実証実験を開始します」ーーー去年の秋ごろから、金融機関が発表する報道資料に、こうした文章を頻繁に見かけるようになりました。 この「ブロックチェーン」は、インターネット上でやり取りされる仮想通貨「ビットコイン」の根幹をなす技術です。ビットコインを考案した「サトシ ナカモト」を名乗る人物が発明したとされています。 では、いったいどんな技術なのでし
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