日本人の90%以上が思春期以降に経験するニキビ。「青春のシンボル」とも呼ばれて軽く考えられがちだが、実は「尋常性●瘡(じんじょうせいざそう)」という、いかめしい響きの名前を持つ皮膚病だ。対応を誤れば重症化し、皮膚に凸凹の瘢痕(はんこん)(傷痕)が残ることもある。2年前、世界の標準治療薬の一つが日本でもようやく保険適用になり、ニキビ治療の現場に変化をもたらした。「たかがニキビ」と自己判断せず、早めに皮膚科専門医に相談して治療を始めたい。 ◆市販薬 横浜市の高校2年生、新海和紀君(17)=仮名=が市内の皮膚科クリニックを受診したのは昨年8月。中学2年の頃、初めて額にできたニキビが顔全体から胸や背中にも広がっていた。テレビCMで知った市販薬を試したが改善せず、悩む姿に両親が専門医の受診を勧めたのだ。 「紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)という赤いぶつぶつした炎症性皮疹以外に、顔全体の赤みが目立っ