川村太一氏(パリ地球物理研究所)・田中智准教授(宇宙航空研究開発機構)が率いる研究チームは、これまで震源が不明だった深発月震(月の地下900km前後を震源とする月の地震)60件のうち、新たに5件の震源決定に成功しました。 カギとなったのは、約40年前の米国アポロ計画で設置された月面重力計のデータでした。田中智准教授らの研究チームが所有、研究していたこのデータと、同じアポロ計画で設置された月震計のデータを組み合わせることによって、新たな震源決定につなげたのです。 新たな震源の一つは、月の裏側、過去に震源が特定された深発月震の中で最も観測点から遠くに位置するものの一つであることや、その月震波が非常に深い地点を伝わって来たことが明らかになりました。月震のデータは12,000件以上もある一方で、これまでに月の裏側で発生したと推測される深発月震は8つだけです。月の裏側の深発月震のデータを増やすことで