人間は動物である。動物の一丁目一番地は、次の世代に命を引き継ぐことにある。すなわち、子どもを産みたい人がいつでも自由に子どもを産み、安心して子育てができる社会が人間の理想の社会だと考える。ひるがえってわが国の現状はどうか。これだけ少子化に悩みながら、たとえば保育所待機児童数については3年連続で増加している。なぜ、保育所待機児童の解消のような簡単なことが実現できないのだろうか。 6月17日に公表された「子ども・子育て白書」を読むと、少子化対策として必要な処方箋はほとんど網羅されていると思われる。一般論として、この国の経済・社会が低迷を脱しきれない根本原因は、「分析の不足」にあるのではなく、決定的に「実行力が不足」していることに求められるのではないだろうか。 ともあれ、「子ども・子育て白書」が指摘した問題点を踏まえて、子どもを産み、育てやすい社会を創っていくための政策の柱を考えてみよう。「子ど