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ブックマーク / honz.jp (92)

  • オランダ史上最悪の犯罪者と呼ばれた兄を告発した妹による、壮絶なる体験記──『裏切り者』 - HONZ

    書『裏切り者』は、映画にもなった「ハイネケンCEO誘拐事件」の実行犯として知られ、その後も犯罪を重ね「オランダ史上最悪の犯罪者」と恐れられるまでになった男ウィレム・ホーレーダーについて書かれた犯罪ノンフィクション/体験記である。 現在ウィレムは逮捕され、終身刑をらっているのだが、彼の罪を告発し終身刑にまで追い込んだのは実の妹で、書の著者であるアストリッド・ホーレーダーなのだ。書は著者が幼少期を過ごした1970年代から、ホーレーダー家がどのような家庭環境だったのか。また、著名な犯罪者の実の妹として日々を過ごすとはどういうことなのか。兄を告発すると決めた決定的な理由、そして告発を決めた後の戦いが、まるでスパイ物の小説のように展開していくことになる。 実の妹なんだから信頼されているだろうし、告発してもバレようがなくない? と思っていたのだがこれが思った以上に壮絶な関係性で、妹だから許され

    オランダ史上最悪の犯罪者と呼ばれた兄を告発した妹による、壮絶なる体験記──『裏切り者』 - HONZ
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    gimonfu_usr 2021/06/25
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  • 『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』「暗黒時代」という神話はなぜ生き残ってきたのか - HONZ

    「中世ヨーロッパ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。「疫病と飢饉」、「魔女狩り」、「異端審問」……。代表的なものを挙げたが、いずれにせよ、西ローマ帝国が滅んだ5世紀末からの約1000年間に明るく進歩的な印象を抱く人は少ないだろう。 だが著者は、そうしたネガティブなイメージはここ200年ほどの間に私たちに植え付けられた誤解だと説く。書には、中世に関する11の「フィクション」が登場する。多くの人は、どれも一度は耳にしたことがあるはずだ。 中世の人々は地球が平らだと思っていた。風呂にも入らず、暮らしは不潔で腐った肉も平気でべた。教会は科学を敵視し、今では誰も疑うことのない説も教会の権威によって迫害され続けた。何の罪もない女性たちが何万人も魔女として火あぶりにされた。 これらの説は、文化上構築された「中世」にすぎず、前世紀までに歴史学の専門家によって否定されている。だが、今でも大きな顔をして

    『中世ヨーロッパ ファクトとフィクション』「暗黒時代」という神話はなぜ生き残ってきたのか - HONZ
  • 『令和元年のテロリズム』令和日本のいびつな自画像 - HONZ

    ひとつの犯罪が時代を象徴することがある。 令和元年(2019年)5月28日、朝7時40分頃、小田急線とJR南武線が交差する登戸駅近くで、男がスクールバスを待っていた児童や保護者らを次々と包丁で刺した。男は終始無言で凶行に及び、20メートルほど走って逃げた後、突然自らの首を掻き切り絶命した。この間わずか十数秒だった。 犯人によって小学6年生の女の子と39歳の保護者の男性が命を奪われた。また17名の児童と保護者1名が切りつけられ、このうち女児2名と保護者は重傷を負った。これが令和の幕開けに社会を震撼させた「川崎殺傷事件」(川崎市登戸通り魔事件)である。 この事件が「令和元年」を象徴しているというと驚く人がいるかもしれない。わずか2年前のことなのに事件は早くも世間の記憶から薄れつつあるようにみえるからだ。そもそもあなたはこの事件の犯人の名前を覚えているだろうか?また当時、著名人がメディアで発した

    『令和元年のテロリズム』令和日本のいびつな自画像 - HONZ
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    gimonfu_usr 2021/05/19
    "「一匹と九十九匹と」というエッセイで、九十九匹のために行われるのが政治であるのに対し、文学は「失せたる一匹の救い」のために" どうかな。99匹でなく1匹のために行われ、停滞する政治もあるような
  • 『孤塁』初めて語られた双葉郡消防士たちの「あの日」 - HONZ

    あの日、あなたはどこで何をしていただろうか。 2011年3月11日、福島県双葉郡では、多くの学校で卒業式が執り行われた。子どもたちは通い慣れた校舎に名残惜しさを感じながら、未来への希望に胸を膨らませていたに違いない。だが14時46分、巨大地震がこの地を襲った。 書は、双葉郡の消防士たちが初めて「あの日」について語ったノンフィクションである。震災について書かれた多くのノンフィクションの中でも出色の一冊だ。 書の優れている点。それはプロフェッショナルの証言に基づいているところだ。私たちは現実を見ているようで、案外見ていない。事故現場の取材で目撃者に話を訊くと、「とにかく驚いた」とか「ドカーンと音がして気がついたら倒れていた」とか、目の前で起きたことを描写するのではなく、単なる感想や擬音で雰囲気だけを伝えるケースがよくある。無理もない。私たち素人は、想定外の出来事を前にすると動転してしまうの

    『孤塁』初めて語られた双葉郡消防士たちの「あの日」 - HONZ
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    gimonfu_usr 2020/02/17
    ( 福島 )
  • アフリカのエイズをなくせ! 『撃ち落とされたエイズの巨星』 - HONZ

    『エイズの起源』(みすず書房)や『完治』(岩波書店)など、エイズ関連の優れた図書はたくさんある。その多くは、現代医学がエイズという病気に一丸となって取り組み、克服してきたかの成功物語である。 抗HIV薬が開発され、感染してもエイズの発症を抑えることができるようになった。1981年に最初の症例がNEJM(ニューイングランド医学雑誌)に発表されてわずか40年たらずでここまで進んだのだから間違いなく驚嘆に値する。 しかし、2019年の時点において、全世界で3790万人も「HIVとともに生きている人々」がいるとされている。そして、そのおよそ7割もがサハラ砂漠以南の住民だ。 アフリカのどんなへんぴな地域にも冷えたコカ・コーラやビールを届けることができるなら、薬だって届けられるはずだ 『撃ち落とされたエイズの巨星』は、この信念をもってサブサハラにおけるエイズ・HIV感染の撲滅を目指してばく進したオラン

    アフリカのエイズをなくせ! 『撃ち落とされたエイズの巨星』 - HONZ
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    gimonfu_usr 2020/02/02
    (『そしてエイズは蔓延した』も良かった。出版時から情報更新されてるし、手探り状態の災禍初期を生き残れなかった人達の記録を「良かった」いうていいか迷うけど。邦題より『And the Band Played On』のが好きかな。)
  •  絶望的にヒーロー不在『八甲田山 消された真実』フィクションとノンフィクションと - HONZ

    神成大尉は、二一〇人の兵隊を凍死させたのは自分の責任であるから自分は自殺する、舌を噛んで自殺すると。…… ベッドの上で正座して話す老齢の男性――その人は、世界最大級の山岳遭難事故の最後の生存者・小原中三郎元伍長であった。 1902年(明治35年)1月。日露戦争を前に陸軍は寒冷地での行軍を調査・訓練するため、青森の陸軍歩兵第五聯(れん)隊と弘前の第三十一聯隊が豪雪の八甲田を異なるルートで越えることになる。結果的に三十一聯隊は八甲田を越え帰還したが、五聯隊は山中で遭難。210人あまりの将兵のうち、199人もが凍死した。世に言う「八甲田山雪中行軍遭難事故」である。 これをもとに書かれた新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』は、大ベストセラーになった。映画化された「八甲田山」で北大路欣也演じる第五聯隊の神成(役名は神田)大尉が猛吹雪のなか、こう叫ぶシーンをご存知の方も多かろう。 天はわれらを見放した

     絶望的にヒーロー不在『八甲田山 消された真実』フィクションとノンフィクションと - HONZ
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    gimonfu_usr 2020/02/02
    ( "装備や計画はあまりにも貧弱" )
  • 医学界の「怪物」、その壮絶なドラマ『ゴッドドクター 徳田虎雄』 - HONZ

    徳田虎雄。その名を聞いたとき、どのようなイメージが思い浮かぶだろう。医療に風穴をあけた風雲児、潤沢な資金をバックにした金権政治家、あるいは、難病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘う患者だろうか。それは世代や立場によって大きく異なってくるに違いない。いや、そもそも若い人には、その名さえ知られていないかもしれない。 まったくの徒手空拳から、昭和48年、大阪の松原市に建設した徳田病院を皮切りに、徳洲会病院を全国に開院。「徳洲会事件」によりすでに経営者の座を追われたといえ、71の病院と約3万人の職員を擁し、グループ全体で4,200億円もの売上げを誇る、日最大にして世界屈指の病院グループの礎を築いたのが徳田虎雄だ。 その一代記であるこの、面白くないはずがない。まずは冒頭のシーンで度肝を抜かれる。医療界の話のはずなのに、山口組傘下のヤクザ-警察がいうところの暴力団-の「事始め」の儀式から始まるのだ

    医学界の「怪物」、その壮絶なドラマ『ゴッドドクター 徳田虎雄』 - HONZ
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    gimonfu_usr 2020/01/11
     ( 武見太郎氏は「日本の医者の1/3は銭ゲバ、1/3はノンポリ、1/3は献身的な理想主義者」っていったんだったけか。)
  • 『BL古典セレクション2古事記』八百一万(やおいよろず)のボーイズラブ! - HONZ

    社長の一声で生まれた「BL古典」シリーズ 「ならぬ……兄弟でこのようなこと―高天原から見ている者がいるかも知れぬ」 そう言って身を引きはがそうとすると、弟は接吻で兄の唇を塞いで、 「兄上。我々は神。神に許されぬことはございませぬ。それにこれは国生みに必要な儀式でございます」――『BL古典セレクション②古事記』より 「BL古典セレクションの編集者です」と言うと、「腐女子なんですか?」と訊かれることが多いのですが、この企画が立ち上がった2018年5月時点では、BL“も”描く作家さんの作品をいくつか読んだことがある程度でした。 ではなぜこのようなシリーズが生まれたのか? スタート地点は「古典のおもしろい現代語訳が読みたい」×「雪舟えまさんのを出したい」という個人的願望でした。ただ、雪舟さんは近年「緑と楯」という男性カップルの小説シリーズのみ執筆すると宣言されているので、普通の現代語訳だと受けて

    『BL古典セレクション2古事記』八百一万(やおいよろず)のボーイズラブ! - HONZ
  • 天才プログラマーにして闇社会の帝王、超大金持ちにしてドケチ。その男の名はル・ルー。ドラマ化決定の『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』は超弩級のノンフィクションだ! - HONZ

    天才プログラマーにして闇社会の帝王、超大金持ちにしてドケチ。その男の名はル・ルー。ドラマ化決定の『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』は超弩級のノンフィクションだ! 海賊が跋扈するため、ソマリア沖ではマグロ漁ができなくなっていた。そこで漁をすれば一網打尽、一攫千金だ。しかし、そのためにはロジスティクスも安全も確保しなければならない。巨額の資金による、飛行場付き、傭兵が警護する完全武装の漁業基地建設が始まった。 全米で多くの医師や薬剤師がオンライン薬局での処方薬販売にかかわっていた。違法ぎりぎりの取引に気づいた麻薬捜査官による捜査が始まった。巧妙に操作されたインターネットサイトの裏側で、たったひとつの会社、RX社が巨額の取引を仕切っていた。 腐乱死体を乗せた難破ヨットがトンガの環礁で見つかった。当局が捜査したところ、その船室の壁には末端価格は9000万ドル以上にもなるコカインの塊

    天才プログラマーにして闇社会の帝王、超大金持ちにしてドケチ。その男の名はル・ルー。ドラマ化決定の『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』は超弩級のノンフィクションだ! - HONZ
  • 『つけびの村』山口連続殺人事件の真相、噂は続くよ、どこまでも - HONZ

    山口連続殺人事件は、2013年に山口県周南市の小さな集落で起きた凄惨な事件である。住民わずか8世帯12人、半数以上が65歳以上という限界集落で、ある日突然5人の連続殺人と放火が起きた。 事件からほどなく犯人として名が挙がり、現場付近の林道で捕まった保見光成もまた、集落の住民の1人であった。 後にこの事件が大きな話題になっていった背景には、この村をめぐりさまざまな噂話がネットやマスコミで飛び交ったことがある。犯人の家に貼られていた「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」という言葉が犯行予告だったのではないかというもの。犯人は村の人たちから村八分にあっていたのではないかというもの。 根も葉もない噂を立てられ、それを真に受けた無関係な人たちから一方的に攻撃される。どんどん騒ぎが大きくなっていき、さらに深刻な事態を引き起こす。書で描かれているのは、今では当たり前のように頻発する、ネット炎上の原風景とでも

    『つけびの村』山口連続殺人事件の真相、噂は続くよ、どこまでも - HONZ
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    gimonfu_usr 2019/10/11
    "人々の娯楽としての噂話が1人の男性による殺人事件を生み出し、それを取り巻く数々の噂が事件をより一層、複雑怪奇なものへ押し上げた"
  • 『潜入ルポ 中国の女』文庫解説 by 金 美齢 - HONZ

    中国の女、台湾の女そして日の女」──「場の力」が女を創る 二〇一三年のゴールデンウィークの休み中、資料を整理していたら、古い新聞の切り抜きが出てきた。そのいくつかが福島香織さんの記事だった。北京駐在としては初めての日人女性新聞記者ということで、彼女の記事はいつも注目していたのだ。 福島さんに初めて直接会ったのは、二〇〇一年十二月の台湾の立法院・地方首長選挙のときだったと思う。当時、産経新聞の台北支局長だった矢島誠司さんに引き合わせてもらった。私は「台湾大地震(一九九九年九月二十一日)であなたが書いた記事、すごくよかったわ。あなたの記事、愛読している」と褒(ほ)めたのを覚えている。それは、地震で娘を失った母親に躊躇(ちゅうちょ)しながら取材しようとした福島さんが逆に励まされたエピソードを書いたもので、悲しみの中でも他者への配慮を忘れない台湾女性の優しさ強さを描いていた。 福島さんが北京

    『潜入ルポ 中国の女』文庫解説 by 金 美齢 - HONZ
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    gimonfu_usr 2019/09/01
    ( 蒋介石と台湾の女性の地位 )( 2013年 )
  • 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』無類に面白い!少年の成長物語 - HONZ

    今年もっとも感情を揺さぶられた一冊だ。 なにしろこのを読んでいる間、いい歳して中学生かよ!というくらい落ち着きがなかった。世の中の不条理に憤って汚い言葉を口にしたかと思えば、声をあげてギャハハと笑い、気がつけば目を真っ赤にして洟をかんでいた。 ノンフィクション好きで著者の名前を知らない人はいないだろう。ブレイディみかこさんは地元福岡の進学校を卒業後、音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始し、2017年に『子どもたちの階級闘争−ブロークン・ブリテンの無料託児所から』で新潮ドキュメント賞を受賞した。ここ数年、注目を集める書き手である。 書は彼女がこれまで書いたものの中で、もっともプライベートな色合いの濃い一冊といっていいだろう。彼女は英国南部のブライトンという街で、アイルランド出身で大型ダンプの運転手をしている配偶

    『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』無類に面白い!少年の成長物語 - HONZ
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    gimonfu_usr 2019/06/26
     ( 英国 )
  • 『資本主義と闘った男』我々がまだ知らない本当の宇沢弘文とは - HONZ

    私たちはまだ当の宇沢弘文のことを何も知らない・・・これが書を読了しての思いである。そして、宇沢とは何者で、どこから来て、どこへ行こうとしていたのか、その全てを詳らかにしてくれるのが書である。これをきっかけに宇沢の功績の再評価が行われるに違いないと確信させる、経済学歴史に残る名著である。 「ノーベル経済学賞に最も近かった日人」であり、「社会的共通資」(Social Common Capital)の重要性を訴えた思想家である「宇沢弘文」という巨人の全貌を理解するのは至難の業である。その裾野は限りなく広く、その頂きは限りなく高く、私たちを容易には近づけてくれない。 そうした意味で、宇沢は自身が語っているように、ひとりぼっちの孤独な思想家であり社会活動家だった。多くの天才たちが同時代の人々に理解されてこなかったように。そして、その孤高の天才の86年に及ぶ生涯を、大部な640頁の評伝にま

    『資本主義と闘った男』我々がまだ知らない本当の宇沢弘文とは - HONZ
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    gimonfu_usr 2019/06/16
     ( 1928年〔昭和3年〕 - 2014年〔平成26年〕 )
  • 『掃除で心は磨けるのか いま、学校で起きている奇妙なこと』ある特定の方向へ誘導する教育の問題 - HONZ

    小学校に通う子どもの通知表を見ていたときのことだ。教科ごとに4つの評価項目が設けられているが、「社会」のところに「おや?」と目が留まった。項目がすべて同じ文章になっている。「もしかして誤記?」と思ったのだ。 よくよく見ると同じ文章ではなかった。だが、勘違いするのも無理はない。「我が国の歴史や伝統、世界の国々に〜」「我が国の歴史や伝統の意味について考え〜」など冒頭がすべて同じ文言だったのだから。なにこれ? 2017年、初めて行われた道徳の教科書検定が話題となった。ある教科書に載った教材に文部科学省が意見をつけ、教材に取り上げられた店が「パン屋」から「和菓子屋」に変更されたのだ。 文科省は具体的な差し替え箇所を指示したわけではないというが、教科書全体を通して「我が国や郷土の文化に親しみ、愛着をもつ」点が不足していたと説明している。パン屋よりも和菓子屋のほうが我が国の伝統にかなっているということ

    『掃除で心は磨けるのか いま、学校で起きている奇妙なこと』ある特定の方向へ誘導する教育の問題 - HONZ
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    gimonfu_usr 2019/04/20
    ( ? )
  • 最近海外の人が増えたなあ。そんな人は『ふたつの日本』を。 - HONZ

    コンビニのレジの人、どこの国の人だろう? 技能実習生が失踪って、なぜそんなことに? 移民に関する政策ってどうなっている? 日に「暮らす」在留外国人はすでに263万人、日の人口の約2%だ。ただ、その内訳は思った以上に複雑だ。周りに外国人は増えていくのに、自分は対応できていないような。この、大きすぎてわからない問題をクリアに「見える」化してくれる、しなやかな一冊の登場だ。 「移民」を真っ向から丹念に書く著者の望月優大さんは、1985年生まれ。経歴が華やかで、東大で修士課程を終えた後、経済産業省、グーグル、スマートニュース、を経て独立し、現在は株式会社コモンセンスの代表をつとめる。 最近では「ニッポン複雑紀行」なるウェブマガジンで、その文章をご覧になった方もいるかもしれない。 これは「日の移民文化・移民事情を伝える」ことを目的とした、難民支援協会のウェブマガジンで、望月さんはライター兼編集

    最近海外の人が増えたなあ。そんな人は『ふたつの日本』を。 - HONZ
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    gimonfu_usr 2019/04/13
    ( "ドイツではドイツ語を入国時に教えるというが、日本では受け入れる企業任せの場合が多い" )( う~ん。同化教育と批難されることがないなら覚えていただいたほうが良いに決まっているが… )
  • 『図解 世界の名作住宅』歴史に名を残す住宅は何がすごいのか? - HONZ

    建築は誰でも楽しめる。特に住宅は、衣住の根幹をなすものだから、住宅建築に全く関心がないという人はまずいない。 加えて、日人は世界的に見ても、建築がかなり好きな国民だと思う。美術館で建築展をやると、他のジャンルに比べて圧倒的な集客力がある。昨年、国立新美術館で開催された「安藤忠雄展―挑戦―」や、今年、森美術館で開催された「建築の日展:その遺伝子のもたらすもの」も大盛況だった。 書『図解 世界の名作住宅』は、月刊誌『建築知識』のエクスナレッジ社による、歴史に名を残す住宅は何がすごいのかについて、世界の名作住宅60点以上をイラストで分かりやすく解説した珠玉の一冊である。 近代建築の三大巨匠と呼ばれるル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエをはじめ、これらの住宅を設計した世界の巨匠たちの人となりが紹介されているのも、建築の理解に役立つ。 書で最初に登場する

    『図解 世界の名作住宅』歴史に名を残す住宅は何がすごいのか? - HONZ
  • 最後の魔境へようこそ! ”ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活” - HONZ

    かつては釜ヶ崎とよばれ、いまは、あいりん地区とよばれるドヤ街が大阪・西成にある。 その中心にある三角公園から北東方向を撮影したのが表紙の写真だ。右奥にひときわ高くそびえているのが地上300メートル、日一の高さを誇るビル「あべのハルカス」。左側に壁のように見えるが大阪市立大学医学部附属病院、そのすぐ向こう側は大阪市立天王寺動物園である。 土地勘のない人にもわかってもらえるだろう。あいりん地区は多くの市民が憩う場所から目と鼻の先にある街だ。しかし、大阪市民の多くは、その名を知っていても、足を踏み入れたことはないはずだ。わたしもその一人である。このを読めばわかる、ここは大阪の魔境なのだ。 東京でいえば山谷にあたるのだろうか。しかし、筑波大学を7年かけて卒業し、就職しそこねたライター志望の國友クンは、東京からわざわざ西成へ取材に遣わされたのだ。このような場所はもう西成にしか残っていないのかもし

    最後の魔境へようこそ! ”ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活” - HONZ
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    gimonfu_usr 2018/10/27
    ( 大阪 )
  • 『さいはての中国』 あなたの知らない中国 - HONZ

    ノンフィクションを読む醍醐味である未知の世界を知る喜びをこれでもかと与えてくれる一冊だ。中国の地を這う現実を伝え続けるルポライターの著者が選んだ行き先は、途方もなく広い中国の“さいはて”。書に登場するのは、発展著しい深圳のネトゲ廃人、広州のアフリカ人街、内モンゴルのゴーストタウンや北米の「反日」華人組織などという、旅行者やビジネスマンはもちろん、大手メディアも近づかないような場所ばかり。大金を積まれても行きたくないような所へ軽快に潜り込み、現場の声を拾い上げ、世界の広大さを突きつけてくる。 最初の目的地は、中国最大のIT企業群が社を置くサイバーシティ深圳だ。次代のシリコンバレーとも呼ばれる彼の地の先進ぶりを伝えるニュースは引きも切らないが、この街には知られざる一面がある。そこには、中国各地からい扶持を求めてやってきた、著者が呼ぶところの「サイバー・ルンペンプロレタリアート」がいるのだ

    『さいはての中国』 あなたの知らない中国 - HONZ
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    gimonfu_usr 2018/10/22
    ( "文革の主人公たる紅衛兵世代が社会の実権を握るようになった"  1966年当時に高校生中学生だった世代らしい。」)
  • 失われた技術を復元する──『ジャイロモノレール』 - HONZ

    書はジャイロモノレールについての概説書である。ジャイロモノレールとはレールが一の鉄道の名称である「モノレール」にジャイロスコープを利用し、無支持で走行できる安定性を付与したものになるが、この技術は20世紀のはじめ頃(1900〜1910年)に開発され、その後大戦に突入したことで開発は中断。そのまま、それを成立させる技術も失われてしまっていた。 もともとモノレールが1レールで移動できるので、鉄道と比べれば2倍の輸送効率となり、ジャイロモノレールは既存の鉄道レールの上に乗っかってバランスをとることもできれば、それ以外の場所でもレールを一置くだけで走行できるなど、敷設費が安くおさえられる利点がある。ジャイロスコープを用いた車体の構築など、体費用は多額という難点もあり、一長一短ではあるものの、使い所はあるとみられていた。だが、一度開発が中断した後、再度この技術を再現しようとする人は長らく現れ

    失われた技術を復元する──『ジャイロモノレール』 - HONZ
  • 好蟻性生物に萌える! 『アリの巣の生きもの図鑑』 - HONZ

    書は、アリの巣に住み、アリと共生する昆虫(好蟻性昆虫)やその他の節足動物(クモやダニなど)に関する図鑑である。なんというか、読者対象狭すぎなだが、好蟻性昆虫マニアやヘンな虫好きにとっては、よくぞ出してくれた! と狂喜乱舞するような、奇跡的な一冊なのだ。 著者は、HONZでも話題になった『ツノゼミ ありえない虫』や、好蟻性昆虫の魅力とその研究の苦労を活き活きと、楽しげな筆致で語った『アリの巣をめぐる冒険』の丸山宗利氏に、アリ好きなら知らぬものはいない、アリ専門店Antroom経営の島田拓氏(ここで売っている蟻マシーン3号が欲しくてたまらない)、岐阜県の蟻ならこの人!の、木野村恭介氏、不幸にして虫、特に始末におえない蝶の世界に足を突っ込んでしまった岩手大学の博士課程在籍の若きホープ、工藤誠也氏、そして、すでに好蟻性昆虫の写真集も出している小松貴氏。まさにオールスターである(たぶん)。 言う

    好蟻性生物に萌える! 『アリの巣の生きもの図鑑』 - HONZ
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    gimonfu_usr 2018/10/05
    ( 経由 https://togetter.com/li/1273164 から検索 )