ロシアによるウクライナ軍事侵攻が3年目に突入。2024年の2月にカメラマンの児玉浩宜はウクライナを訪れ、若いスケーターたちのコミュニティを取材した。若者たちは、戦争中にもかかわらず、スケートボードに乗る。それは遊びではなく、彼らにとっての「自由」を示す意思表示だった。 そんなスケーターたちの姿に心を打たれた児玉が次に向かったのは、セルビアの首都ベオグラード。旧ユーゴスラビアを構成していたこの国で、奇しくもウクライナの敵国ロシアから来たスケーターたちと出会う。
「日本で見られるアニメーションの傾向は偏っている」。そう語るアニメーション研究者・土居伸彰が立ち上げた、まだ見ぬアニメの可能性を探るための新しいアニメーションフェスティバル『GEORAMA2016』が、2月2日より開催される。ジャンルを超えた共演を通してアニメ概念の拡張と逸脱を試みる同イベントがこのたび招集したのは、なんと伝説的なアニメ作家、ブルース・ビックフォード。有象無象がうごめく映像宇宙で、かつて音楽家フランク・ザッパをも魅了したこの奇才が、今回は日本の個性派ミュージシャンたちと共演する。 アニメ界きっての「変人」として知られるビックフォード作品の魅力とはなにか。そして、世界に広がる「ジャパニメーション」とは異なる、インディペンデントアニメーションの可能性とは? 『GEORAMA』の発起人・土居と、DOMMUNE主宰者であり、今回の共演プログラムのキュレーションも手がけた宇川直宏に話
二階堂ふみと染谷将太が出演する相鉄都心直通記念ムービー「100 YEARS TRAIN」が公開された。 「100 YEARS TRAIN」は、100年以上の歴史がある相鉄線とJR線の相互直通運転が11月30日に始まることを記念するもの。大正、昭和、平成、令和を舞台にした男女の恋が、各時代を象徴する車両や衣装、写真と共に描かれている。乗客役として星玲奈、早瀬慧らが出演。音楽には、くるりの“ばらの花”とサカナクションの“ネイティブダンサー”をマッシュアップした楽曲を使用。yui(FLOWER FLOWER)とミゾベリョウ(odol)が歌唱している。 二階堂ふみは「時代によって変わる衣装や小物のちょっとした変化を楽しんでほしいです」、染谷将太は「それぞれ違う時代だけど一貫性をもたせることがすごく面白くて、やりがいがあると感じた。また、実際に大正時代はいろんなものがミックスされだした時代で、すごく
文化庁からの補助金が全額支給されないことが決定するなど、『あいちトリエンナーレ』の企画展のひとつである「表現の不自由展・その後」をめぐる一連の動きが、14日に同芸術祭が閉会したいまもなお、物議を醸すなか、かつて大阪市の助成金を受けながら、その内容の一部修正を求められた挙句、監督自らそれを拒否。助成金の返還を余儀なくなされた1本の映画が、完成から5年という歳月を経て、遂に一般公開される。 その映画の名は、『解放区』。友人の自殺を直視したドキュメンタリー映画『わたしたちの特別な時間の終わり』(2013年)でセンセーションを巻き起こした太田信吾監督が、初めてドキュメンタリーではない劇映画として生み出した作品だ。俳優としても活動する太田監督自らが演じる、ドキュメンタリー作家「未満」の男が、紆余曲折の果てに、自らカメラを持って大阪・西成の街に飛び込んでいくというこの映画。ドキュメンタリーの手法を用い
2011年から続く3部作(『homely』『100年後』『ペーパークラフト』)以来、自らを育んだ同時代のオルタナティブロックの影響圏から軽やかに飛翔し、様々な音楽要素を鮮やかな手並みで吸収してきたOGRE YOU ASSHOLE。9月4日リリースされたアルバム『新しい人』にて、彼らはいよいよそうした道程の頂きに至った。 ミニマルミュージックなど各種アヴァンギャルド音楽を取り入れながらメロウな音世界を作り上げる手腕は一層冴え渡り、今回は1980年代のシンセポップやアンダーグラウンドなダンスミュージック、さらには第三世界の各種ポピュラー音楽をも貪欲に射程に収めている。また一方で、日本屈指のライブバンドとしての姿とは裏腹に、ここでは祝祭感や聴感上のカタルシスは綿密に抑制・統御されており、まさにそのことによって、これまで耳にしたことのないような極めてコンテンポラリーな感覚を手にした。 そうした音楽
(メイン画像:『Vocabulary of Solitude』(2014~2016年) / 個展『Ugo Rondinone: Vocabulary of solitude』ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館、ロッテルダム(オランダ) Photo: Stefan Altenburger / Courtesy of studio rondinone) 芸術祭のテーマ「Taming Y/Our Passion」のパラドックス ためらいながらこの原稿を書いている。8月1日に開幕した「あいちトリエンナーレ2019」についての、アートとパフォーマンス作品の両方に触れる速報性のあるレポートとして、開催直後まではこんな書き出しで始めようと考えていた。 今年の『あいちトリエンナーレ』が掲げたテーマ「情の時代 Taming Y/Our Passion」の情とは、感情、情報、情け……といった多様な意味を含
今年5月、世界の音楽シーンで1つの歴史的出来事が起きた。韓国の7人組ボーイズグループ・BTS(防弾少年団)の最新作『LOVE YOURSELF 轉 'Tear'』が、アメリカの週間アルバムチャート「ビルボード200」で初登場1位に輝いたのだ。 これは韓国人アーティスト史上初の快挙。シングルチャートにあたる「Hot 100」ではかつて坂本九(“スキヤキ”)が1位、PSY(“カンナム・スタイル”)が2位を獲得したが、アルバムチャートである「ビルボード200」での1位はアジア圏のアーティストでも史上初だという。非英語圏の言語で作られたアルバムが1位の座に就くのは実に12年ぶりとなる。 CINRA.NETでは昨年、アメリカのビルボードのコラムニストであり、ニューヨーク・タイムズやCNNといったメディアにも寄稿や出演をしているジャーナリストのジェフ・ベンジャミンに、アメリカにおけるK-POP人気の現
田亀源五郎の漫画『弟の夫』が連続ドラマ化され、3月4日からNHK BSプレミアムで放送される。 『弟の夫』は、小学生の娘を男手ひとつで育てる折口弥一のもとに、カナダへ移住した双子の弟・涼二の同性婚の相手だという男性・マイクが訪ねてくるという物語。涼二がカナダに移住してマイクと結婚し、その後亡くなったと知った弥一が、しばらく滞在することになったマイクと共に暮らす中で、自身の偏見に気づき、次第に彼を受け入れていく様が描かれる。原作は2015年の『文化庁メディア芸術祭』マンガ部門優秀賞を受賞している。 主人公の弥一役を演じるのは佐藤隆太。弥一と絶縁状態だった弟・涼二の夫役を元大関の把瑠都が演じる。さらに弥一の元妻役に中村ゆりがキャスティングされている。演出を『サラリーマンNEO』『あまちゃん』などを手掛けた吉田照幸と、『暴力の都』などの漫画原作者としても知られる戸田幸宏が担当。 佐藤隆太は原作を
映画『トレインスポッティング』の続編『T2(原題)』の新たな映像が公開された。 1996年に公開されたダニー・ボイル監督の映画『トレインスポッティング』。2017年1月27日にイギリスで公開される『T2』は前作から20年後を舞台にした作品となる。 前作に使用されたUnderworldの“Born Slippy(Nuxx)”が流れる予告編では、ユアン・マクレガー演じるレントンにジョニー・リー・ミラー演じるシックボーイが「20年間なにやってたんだ?」と尋ねるシーンをはじめ、ユエン・ブレムナー演じるスパッド、ロバート・カーライル演じるベグビー、ケリー・マクドナルド演じるダイアンら前作の登場人物の姿が確認できる。また予告編の公開とあわせてリック・スミス(Underworld)が映画音楽を担当していることが明らかになった。 なお11月9日に初の日本武道館公演を行なう。
自宅の椅子で新聞を読みながら「映画にされる価値なんかない。まあでも、仕方ないか……」とカメラに向かってボヤく老人。彼こそが、「20世紀におけるアメリカンフォトの主要な写真家のひとり」(『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』)と称されるソール・ライターだ。1940年代後半からニューヨークの街を撮影したカラー写真の先駆者であり、『ハーパース・バザー』や英国版『ヴォーグ』などファッション誌で活躍しながら80年代に表舞台から姿を消した彼は、2006年に個人的なカラー作品をまとめた写真集がドイツ・シュタイデル社から出版されたことで、一躍世界の注目を集めることになる。 映画『ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』は、伝説の写真家が最晩年に若き映画監督に語った、人生哲学の言葉がぎっしり詰まったドキュメンタリー。独特の語り口を見事に訳したのは、現代アメリカ文学研究、および翻訳の第一人者である柴
アサヒ・アートスクエアが2016年3月末をもって閉館することがわかった。 アサヒ・アートスクエアは、アサヒビールによるメセナ活動の発信拠点として、2004年にスーパードライホール4Fに開館。2007年からNPO法人アートNPOリンクとパートナーシップを結び、アート、音楽、舞台芸術、映像など多彩なジャンルのイベントを開催してきた。築26年を経て、ホールとして運営するにあたり各所での修繕や機器の入れ替えなどが頻発していたことなどから、閉館の決定に至ったという。なおアサヒ・アートスクエアが入居するスーパードライホール内の飲食店「フラムドール」は今後も通常通り営業を続ける。 ※記事掲載時から一部表現を変更しました
映画『白鯨との闘い』が、2016年1月16日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開される。 同書はハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』に隠された真実を描いた、ナサニエル・フィルブリックによるノンフィクション『復讐する海―捕鯨船エセックス号の悲劇』をもとにした作品。1819年にアメリカ・ナンタケット港から出港した捕鯨船・エセックス号が、太平洋沖4800kmの海域で白くて巨大なマッコウクジラと戦い、沈没させられるが、ボートで脱出した乗組員たちは食料や水が尽きかける中で生き残るすべを探りながら、彼らの前に何度も立ちはだかる「白鯨」と戦うというあらすじだ。 主人公の一等航海士オーウェン・チェイス役をクリス・ヘムズワーズが演じるほか、オーウェンと航海をともにする仲間をベンジャミン・ウォーカー、キリアン・マーフィーが演じる。さらに『白鯨』の著者であるメルヴィル役にはベン・ウィショーがキャスティングされて
作家のギュンター・グラスが、現地時間の本日4月13日朝にドイツ・リューベックで逝去した。享年87歳。 これはドイツ・リューベックにあるグラスの記念館「Günter Grass-Haus」のオフィシャルサイトおよびFacebookページなどで発表されたもの。死因は明かされていない。 現ポーランド領グダニスクのダンツィヒで1927年に生まれたグラスは、第2次世界大戦後にアメリカ軍の捕虜として収容所で過ごしたのち、彫刻家や石工として生活を送りながら創作活動を開始。のちに映画化もされた1959年発表の長編小説『ブリキの太鼓』をはじめとする「ダンツィヒ三部作」など知られ、1999年には『ノーベル文学賞』を受賞した。2006年に自伝的作品『玉ねぎの皮をむきながら』で17歳時に「SS」ことナチスの武装親衛隊に所属していたことを告白し、2014年には小説の創作活動から引退することを表明していた。
日本におけるSFの過去と未来を探る企画展『日本SF展・SFの国』が、7月19日から東京・芦花公園の世田谷文学館で開催される。 未来を語るために想像力を磨き、それぞれの表現を追求してきた日本のSF作家たち。同展では、展覧会を「日本SF大学校」に見立てた構成で、多彩な資料から作家たちがSFという表現を通じて何を伝えようとしたのかを紐解いていくと共に、小説や漫画、アニメ、ゲームなど様々なメディアに溶け込んでいる日本におけるSFの未来を探っていく。監修は筒井康隆と豊田有恒が務める。 会場では、日本SFの父と称される海野十三をはじめ、1959年に創刊された早川書房の『SFマガジン』などSF誌の歴史、1963年に創刊された「創元SF文庫」やSF作品を彩る挿絵の魅力、日本SF第一世代と呼ばれる星新一、小松左京、手塚治虫、筒井康隆、真鍋博といった作家たちの資料が紹介される。さらにとり・みきが同展のために制
展覧会『アノニマス・ライフ 名を明かさない生命』が、11月17日から東京・初台のNTTインターコミュニケーション・センター [ICC] で開催される。 同展では、ロボット工学によって生み出される「機械の生命」や、遺伝子操作に代表されるバイオテクノロジー、クローン技術など、現時点で発達段階にあるため完成されたものとして名づけることができない「もうひとつの生」を「アノニマス」というキーワードをもとに作品を紹介。機械と人間の境界となる「生」の意味を問い直すと共に、テクノロジーの進歩が新たな光を当てたセクシュアリティやアイデンティティーの問題などを探る。 会場では、自らの身体を使った美容整形をパフォーマンスにするオルランの写真作品や、人間国宝の落語家・桂米朝をモデルにした『米朝アンドロイド』、スプツニ子!のヒールの先端から菜の花の種が地中に植えつけられる『菜の花ヒール』、独特な機械構造を用いて空間
クリント・イーストウッド監督の新作映画『J・エドガー(原題)』が、2012年1月28日から日本で公開されることがわかった。 同作は、FBI初代長官ジョン・エドガー・フーバーの半生を描いた伝記映画。フーバーは1924年にアメリカ連邦捜査局FBIの初代長官として任命され、1972年に亡くなるまで半世紀近くも同職を務めた人物。FBIを現在のような影響力を持つ巨大組織へと発展させた功績でも知られ、その大きな権力には歴代の米国大統領も畏怖したという。同作では、フーバーが抱えていたとされる重大な秘密も含めて、その半生がイーストウッド流に描かれる。 主演のフーバーをレオナルド・ディカプリオが演じるほか、フーバーの秘書ヘレン・ガンディー役にナオミ・ワッツ、フーバーの寵愛を受けたクライド・トルソン役に『ソーシャル・ネットワーク』のアーミー・ハマーが起用されている。脚本は、同性愛権利活動家の伝記映画『ミルク』
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