1955年東京生まれ。77年慶大経済卒。同年城南信用金庫へ。92年理事・企画部長、96年常務理事、2006年副理事長を経て、昨年11月より現職。自らの年収を支店長(1200万円)以下に抑え、理事長・会長任期を最長4年、停年を60歳とする異色の改革を断行。信金業界切っての論客である。 写真/平尾秀明 ――城南信用金庫がホームページ上で訴える「原発に頼らない安心できる社会へ」と題する「脱原発」宣言が話題を呼んでいます。 吉原 大震災の被害は、私の想像をはるかに超えるものでした。痛切に、何かをしなければならないと思いました。城南信金の実質的な創立者である小原鐵五郎元会長は「銀行に成り下がってはいけない」と説いていました。地元の協同組織金融機関である信金は社会貢献(地域社会の繁栄)のために生まれた組織であり、お金儲けのためにやっている銀行ではないということです。信用金庫は困っている人に手を差しのべ