『一つの花』(ひとつのはな)は、昭和28年[1]に発表された、今西祐行の児童文学作品。平成元年以降、全ての小学校教科書に掲載されている作品である[2]。 幼い少女・ゆみ子の口癖は「一つだけちょうだい」だった。戦争が激しい時代で、食料不足であり、ゆみ子の両親は育ち盛りの彼女にお腹いっぱい食べさせたくても食べさせてあげる事が出来ず、「一つだけね」と言って聞かせてあげていた。 そんなある日、ゆみ子の父にも召集令状が来て出征する事になった。出征の日、見送りに来たお母さんとゆみ子。ゆみ子はお父さんのカバンの中にはおにぎりが入っている事を知っていた。それはお母さんが出征するお父さんのために家に残っていた貴重なお米で作ったおにぎりだった。 ゆみ子は「おにぎり一つちょうだい」と言った。ゆみ子は何度も「一つだけ」「一つだけ」と言うのでお父さんのおにぎりを全部食べてしまった。ゆみ子はその後もおにぎりを「一つち