はじめに 最近、「かわいい」という言葉の使い方に変化が生じているように思う。特に若い女性の間で非常に顕著だ。いったいどういうことか。彼女達は何に対しても「かわいい」という言葉を用いるのである。例えば、お年寄りに対しても「かわいい」という言葉を使う。お年寄りというのは本来敬うべき存在であり、「かわいい」という言葉を用いる存在ではないはずだ。しかし、彼女達はそんなことはおかまいなしに「かわいい」という言葉で表現する。一時期、マスメディアに引っ張りだこであった双子のおばあちゃん、金さん・銀さんが最も分かりやすい例ではないだろうか。若い女性達は金さんと銀さんの風貌、仕草を見て、彼女達を「かわいい」と表現した。 また、彼女達はあらゆる物に対しても「かわいい」という言葉を使うのだ。「かわいい」洋服に「かわいい」化粧品、「かわいい」ステーショナリーに「かわいい」インテリアなど。彼女達が購読する女性雑
今日、私たちの周りでは「かわいい」という言葉が頻繁に使われている。その理由は何なのか、またその言葉のもつ現代的意味について探って生きたい。 仲川(2002)は、女子大生のファッションの分析を行い、『JJ』をはじめとする女性雑誌がその流行を作り出してきたと述べている。例えば、70年台終わりに「お嬢様願望」と「アイビールック」を組み合わせて生まれた”ハマトラ”、80年代後半のセクシーファッションとしての”ボディコン”、また80年代の終わりの「トレンディドラマ」や「トレンディファッション」に影響され、高級ブランド品信仰を確立させたかっこよさとセクシーさの極めつけとしての” トレンディ”などがそれである(仲川 2002)。 そして90年代後半に、かわいらしさが前面に押し出された”ロマンティック”が登場する。これは、体のラインを細く見せるキャミソールがその代表例である。また、これに関して仲川(2
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