カルロ・ギンズブルグの『闇の歴史』がおもしろい。 中世から17世紀にかけてのヨーロッパにおいて、無数の人々が参加者として告発され、裁判にかけられて刑に処された、魔女崇拝の集会であるサバトという、実際には行われたかが定かではない集会が、それなのに、何故さまざまな地域や時代において、ほぼ定型の内容のものとして罪人の告白として裁判記録に残っているのか? また、その内容はどこでどうやって定型化されたのか? 主に、罪を裁く側の視点での記録しか残されておらず、裁かれた側からの記録が残されていないがゆえに、ことの真実を明らかにするのがむずかしい歴史の謎を、歴史学的な手続きのみならず、文化人類学的な構造主義による比較も用いながら紐解いていく著者の情報の扱い方、そこから導かれる仮説の出てくる様に、読めば読むほど惹きつけられる。 →カルロ・ギンズブルグ『闇の歴史』 1つ前の「思考の土台」というnoteで、「情
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