人材育成が重要であると考える経営者は多いが、一方で育成がいつまでたっても進まない、という状況もまた多い。 なぜだろう、と原因を調べると、何の事はない、「人材育成」と矛盾した文化や制度を持つことが人材育成を妨げているというケースがよく見受けられる。 単純に言えば、 「後輩が無能な方が良い」 「新人が無能な方が良い」 「育てていると、自分の仕事ができなくなる」 「育てても評価されない」 「ノウハウを共有すると不利になる」 という会社である。要は、古株や先輩にとって後輩を育てることが脅威になってしまう、という状況だ。 このような会社では部門長は「人材育成」の目標を持たされているが、実際に現場で教育を担当する古株や先輩は、 「人材育成なんてバカバカしい」 「まあ、聞かれたら教えてやるかな」 「なんでオレが育成なんかやらなくてはいけないのか」 「見て盗め」 などと考えていることも多い。部門長はそれに