前回紹介した国際売買春会議ICOP97の興奮も醒めやらぬ98年、今度は、台湾でセックスワーカーが闘っているぞというニュースが飛び込んできた。台北市で公娼制度の廃止が突然決定され、当事者である公娼たちがそれに反対する抗議運動を行っているというのだ。 こんなご近所でセックスワーカーの運動が行われているなんて夢にも思わなかったし、そもそも台湾に公娼制があるということすら、私は知らなかった。台北でセックスワーカーの権利を訴えるための国際会議が開かれるというので、友人が台湾へ出かけて行った。 その後、私は友人たちと、数年間この運動に関わることになったのだが、この時の経験は、私のいまの活動に大きな影響を与えている。今回は、この公娼たちの運動をふまえ、労働としてのセックスワークという視点を紹介しようと思う。 台北ではこんなことが起こっていた。97年9月4日、当時台北市の市長だった陳