社説 自衛隊誘致 「軍」で島は活性化しない2009年7月1日 外間守吉与那国町長らが浜田靖一防衛相に同町への自衛隊配備を要請した。人口減への危機感が背景にあるが、「軍」に頼って活性化するのか、疑問を禁じ得ない。 要請書は先島を「台風常襲地域」とし、「周辺海域は地震活発地帯で、(中略)潜在的に大規模災害発生の危険性を内包している」と述べる。尖閣諸島周辺の資源をめぐる周辺諸国の動向への「憂慮」も示した。 自衛隊誘致の理由として災害対応を求めると同時に、中国・台湾への警戒感を挙げた格好だ。 一方で「(自衛隊配備が)与那国島の振興活性化につながり、港湾などの基盤整備が図られることを期待している」とも述べている。島の活性化が重要な動機という事情が透けて見える。 与那国島は戦後、台湾との貿易で一時は人口1万2千人を数えるほど栄えた。だが人口流出が続き、2008年には最盛期の7分の1以下にま