2003年2月1日、世界に衝撃的なTV映像が流れた。スペースシャトル「コロンビア」が地球への帰還に際し、大気圏突入後に空中分解、乗員7名が犠牲になったのである。この悲惨な映像はいまでも人々の目に焼き付いている。実は、NASAではこのコロンビアから焼け焦げ破損したHDDを回収し、データ復旧会社である米Kroll Ontrack(以下、オントラック)に持ち込んだ。そして記録されていた液体キセノン特性に関する科学実験データを99%引き出すことに成功した、という驚くべき事実が2008年5月、CNNから報道されたのである。 実はこのHDD、破損や欠落部分はあったものの、それらはデータが記録されていない部分であり、かつOSもDOSだったため、データはディスク上に分散記録しない方法であった、という幸運もあった。その後、薬品洗浄して新しい駆動装置に移してデータを引き出したそうだ。 このオントラックのデータ