2億2000万人というアフリカ最大の人口を抱えるナイジェリアは、仮想通貨を扱う企業や投資家から最も注目される市場の1つだ。 同国の市場関係者を取材すると、投機目的で取引をするトレーダーは一定数いるものの、多くは必要性に駆られてビットコインやステーブルコイン(法定通貨に連動するデジタルトークン)を利用している実態が見えてくる。 背景には、アフリカの「サブサハラ(サハラ砂漠の南側のエリアのことで、同エリアの人口は約12億人)」に共通する社会課題がある。誰もが利用できる金融基盤や金融サービスにアクセスすることができないという問題だ。 世界銀行のデータによると、2021年時点でサブサハラの人口の45%は基本的な銀行サービスを受けることができない「アンダーバンク(Underbanked)」のカテゴリーに入る。 また、多くのグローバルサウスの国々が直面する自国通貨の脆弱性が、ビットコインや米ドルに連動