ニュースを見てるアメリカ人のあいだでこれほど多くの悲観論が通説になりつつあるのは,どうしてだろう? ひとつには,2010年代後半の社会全体の動揺が挙げられる.それと,国が危機のさなかにあるという感覚をつくりだすことで利益を手に入れたがってるアウトサイダー政治派閥が〔そういう悲観的で危機を煽る〕メッセージを送り出していることも,理由の一端にあると思う.ただ,この十年~二十年ほどで,他でもなくニュースメディアがますます悲観的になってきたっていう事情もある. Binsbergen et al. による新しい論文では,テキストマイニング手法を使って新聞で用いられている言葉を分析している.彼らは,経済ニュースと経済以外のニュースの両方でプラスの感情とマイナスの感情をはかる尺度を構築した.短期的には,経済に関する感情は経済関係の出来事に対応している――景気後退やインフレにはマイナスの感情が対応するし,
![ノア・スミス「ニュースはますます悪いことを偏って取り上げがちになってきてる」(2024年1月16日)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/33ba91c4653aa9414d38a2af8bbc1538f783f4c6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fi0.wp.com%2Fecon101.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F01%2F32dc79af-6940-47fc-8039-e3b89af4c7fb_802x710.jpg%3Ffit%3D802%252C710%26ssl%3D1)