昨年12月、福岡高裁那覇支部は、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設をめぐって、国が県に代わって埋め立ての設計変更を承認する「代執行」を認める判断を出しました。県内からは強い反対の声があがり、軟弱地盤など数々の問題点も指摘されている中での、国の主張を全面的に認める判断。裁判所の傍聴席でそれを聞きながら、強い憤りを感じたというジャーナリストの布施祐仁さんに寄稿いただきました。 開廷すると、三浦隆志裁判長がすぐさま判決の主文を読み上げた。 「被告は(中略)3日以内に承認せよ」 沖縄県の敗訴であった。その瞬間、傍聴席の市民から「不当判決だよ!」と怒号が飛んだ。三浦裁判長はヤジを無視するかのように間を置くことなく判決の骨子を読み上げ、5分足らずで閉廷した。 この日、裁判所にあったのは法でも正義でもなく、「国家による問答無用の暴力」以外の何物でもなかった。 判決後、報道陣に「不当判決」と記した紙を掲