文化遺産? 父から子に引き継がれてきた伝統でも、「あの団体」が黙っていない Andrija Ilic-REUTERS 北大西洋に浮かぶデンマーク自治領のフェロー諸島に、2隻の反捕鯨活動家の船が急行している。毎年何百頭というクジラとイルカが殺される「野蛮な」漁を妨害するためだ。 2隻の船はいずれも、過激な活動で知られる「シーシェパード」に所属する。ドイツのブレーメンを出発して2日がかりでフェロー諸島に到着する予定だ。 「grindadrap」と呼ばれるフェロー諸島のクジラ漁は、夏を通じて行われる。数百年の伝統を持つ文化遺産でもある。しかしこの漁の手法は、長い間論争の的になってきた。 クジラやイルカは漁師のボートで湾内に追い込まれ、そこでフックやナイフを使って切り殺される。地元の漁師は、脊髄を切断するためにクジラやイルカの首を叩き切る。漁には子供も含め、村をあげて参加する。 クジラの肉と脂身は