中央銀行による「衝撃と畏怖」の時代は終わった。10年を超えて危機対策に取り組んできた主要国・地域中銀は、次の下降局面と闘う有効な選択肢がほとんどない状態で新たな10年を迎えようとしている。 世界中の中銀が2008年以降に実施した計750回余りの利下げで、金利は既に歴史的な低水準かマイナスになり、恩恵より弊害をもたらしているのではないかとの懸念が高まっている。 同時に、主要中銀は再び量的緩和(QE)で債券を購入している。12兆ドル(約1303兆円)を超えるこれまでの購入ではインフレを回復させるのに十分ではなかった。