ラジオは流れ去っていくもの、という考え方がある。その時間に、そのパーソナリティが、そのブースから放送することに価値があって、終了後はすべてが流れ去り、翌週(翌日)になると新たな放送がおもしろさを上書きしていく。この考え方もラジオの魅力を表している。 今でこそradikoが生まれ、タイムフリー機能もエリアフリー機能もあるが、それでもラジオはテレビのように再放送されることなく、ソフト化もされず、アーカイブの配信もまだまだ少ない。リスナーの記憶には思い出として蓄積されるにしても、上書きされる新しい放送を追っていくのに夢中で、過去の放送を何度も聴き直しているのは、一部の“ラジオ変態”ぐらいである。 しかし、「点」の連続ではなく、「線」としてラジオ番組を改めて振り返ると、そこには興味深い発見がある。春は新番組が始まる季節。そんなタイミングで、特に芸人ラジオの初回放送を紐解いてみたい。番組サイドやヘビ