(解説)自衛官の人員(実員)充足の現状 自衛官の定員は、自衛隊がわが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、各自衛隊の任務を遂行する上で必要な機能を積み上げて編成された部隊などの人数である。 自衛隊の発足後間もない昭和30年代は、自衛隊を取り巻く社会的環境が厳しかったこともあり、定数を充たすだけの自衛官を募集・採用することが大変困難であった。このため、仮に定員分の人件・糧食費を予算に計上してもかなりの金額は執行できないため、予算の効率化の観点から、自衛官の定員に対してどの程度の人員(実員)を充足するかを示す割合、いわゆる充足率が導入された。 当時は冷戦時代であり、陸自については、期待されていた主要な役割が大規模な着上陸侵攻への対処であった。このため、実員充足の前提として、実際に敵が侵攻してくるまでに一定の期間が必要であることから平素は充足率を8割強に抑制していたが、有事になれば緊急に募集