東南アジア有数の買い物天国として、各国の富裕層を魅了してきたシンガポール。なかでも高級ショッピングモールが立ち並ぶオーチャード通りに異変が起きている。 これまで中国本土やインドネシアなど国外からの買い物客の増加を受け、次々と新しいショッピングモールなどを開いてきたが、シンガポールドル高などもあり外国人客が急減。さらに店舗用不動産の供給過剰で、賃料を値下げする物件も出てきた。また、顧客が減ったことで閉店に追い込まれた店が並ぶシャッターモールも目立つ。今は“爆買い”中国人観光客に沸く日本の小売業界にとっても、明日はわが身かもしれない。 ■深刻な外国人客離れ シンガポール政府は経済成長を支えるため、中国人を中心に多くの移民を受け入れることで人口減少に対応してきた。同時に、経済成長に伴って増加した中国の富裕層を取り込むことにも腐心。ショッピングも賭け事も楽しめる大型カジノを、国父のリー・クア