すでに返還された基地や施設のある自治体も、手放しで喜べるわけではない。 相模湾を望む横須賀市長井4丁目に、開業5周年を迎えた長井海の手公園「ソレイユの丘」がある。一面の菜の花が風に揺れ、牧場では牛の乳搾りに、ヤギの餌やり。広場ではキャッチボールやサッカーが出来る。 東京ドームの4・5個分の広さ。元は米軍長井住宅地区だった。1985年に返還、跡地は20年を経て南仏プロバンス地方をイメージした農業体験型公園に生まれ変わった。入場無料。横須賀市内の主婦(30)は長男(2)と3カ月に1度は来園。「息子は動物好き。安く済みます」 ◇ ソレイユの丘を経営するのは、大手建設会社など4社からなる特別目的会社「横須賀ファーム」。入園料を取らないぶん、駐車料千円のほか、レストランや温浴施設などの利用料が収入源だ。 民間資本を活用する「PFI方式」が、公園まるごととしては全国で初めて用いられた。民間事